AO入試のプレゼンテーション対策|構成と練習のしかた

AO入試のプレゼンテーションの構成と練習のしかたを解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が文部科学省などの公的機関と、各大学・専門学校の公式サイトや募集要項の公開情報を調べて独自に執筆しています。入試の日程・選考内容・出願条件は年度ごとに変わるため、最新の情報は各大学・専門学校の募集要項で確認してください。

AO入試でプレゼンテーションがあると知って、人前で話すのが苦手で不安になっている方も多いですよね。

結論から言うと、AO入試のプレゼンテーションは、上手な話し方より「決められた時間で、問いと考えを筋道立てて伝えられるか」が大事です。出題の形と時間に合わせた構成を先に決めておけば、話すのが得意でなくても準備できます。

この記事を読むと、プレゼンの出題の形と、時間別の構成、練習と質疑応答の準備のしかたが分かります。

目次

AO入試のプレゼンテーションとは?面接との違い

先に結論

プレゼンテーションは、自分から決まった時間で考えを発表する選考です。聞かれたことに答える面接とは違い、話の組み立てを自分で決める必要があります。多くの方式では、発表のあとに質疑応答が続きます。

『プレゼンって、面接とどう違うの?』と思う方も多いはずです。

面接は質問に答える形ですが、プレゼンは自分で話の流れを作ります。最初の一言から最後のまとめまで、時間内に組み立てる力が見られるんです。

国立大学協会の基本方針(令和4年)でも、小論文・面接・プレゼンテーションなど多様な評価方法を使った丁寧な入学者選抜を進めると書かれています。AO入試(2021年度入試からの正式名称は総合型選抜)では、プレゼンを課す方式が少なくありません。

プレゼンが選考のどこに入るのかは、AO入試のやり方で全体の流れと一緒に紹介しています。

プレゼンテーション
  • 自分で話の流れを組み立てる
  • 決まった時間で発表する
  • 資料やホワイトボードを使うことがある
面接
  • 面接官の質問に答える
  • 話の流れは質問で決まる
  • 書類の内容を深く聞かれる

プレゼンを課す総合型選抜は「事前課題型」と「当日課題型」

テーマを前もって知れるかどうかで準備が変わる

プレゼンの出題は、テーマが前もって公表される「事前課題型」と、当日に課題が示される「当日課題型」に分かれます。志望校がどちらかを、最初に要項で確かめておきましょう。

『何をテーマに話すのか、いつ分かるの?』というのが最初の疑問ですよね。

2027年度入試の公式情報から、プレゼンの形を2つに分けて並べてみました。

形大学・方式の例(2027年度入試)時間などの条件
事前課題型龍谷大学 政策学部(学部独自方式)。テーマ「今後あなたが取り組みたい地域活動について」発表7分・質疑8分
事前課題型梅花女子大学 総合型AO入試(プレゼンテーション型)。学科別課題をPDFで公開10分以内+質疑約10分、資料は表紙含め6枚まで
事前課題型北海学園大学 人文学部 日本文化学科。自分で選んだ書籍について3分
当日課題型九州大学 総合型選抜Ⅰ 教育学部。当日示される課題でパネルを作る約3時間で作成、約10分の発表
当日に資料なしで発表北海学園大学 経済学部10分。資料・PCの持ち込み不可、ホワイトボードは使用可
AO入試のプレゼンテーションを、テーマが前もって公表される事前課題型と、当日に課題が示される当日課題型の2つに分けて比べた図解

事前課題型は「中身の深さ」で差がつく

事前課題型は、テーマについて調べる時間があります。そのぶん、調べた内容や自分の考えの深さで差がつきます。

龍谷大学の政策学部のように、テーマが自分の活動や関心と結びつくものも多いです。これまでの活動を振り返る時は、AO入試で活動実績がない時は?も参考にしてみてください。

当日課題型は「その場で組み立てる力」が見られる

当日課題型は、限られた時間で考えをまとめ、発表の形にする力が見られます。

九州大学の教育学部(総合型選抜Ⅰ)は、当日示される課題について約3時間でパネルを作り、約10分のプレゼンテーションを行い、続いて面接(1人10分)を受ける形です。日ごろから、テーマを一つ決めて短時間で話をまとめる練習をしておくと役立ちます。

3分・5分・10分の時間別の構成表

時間が決まったら、まず「話す中身の数」を決める

プレゼンの時間によって、話せる中身の量は大きく変わります。時間に合わせて、伝える要点の数を先に決めてしまいましょう。

『5分って、どれくらい話せばいいの?』と迷う方は多いですよね。

基本の構成は「結論、理由と具体例、まとめ」の3つです。時間別に、どこにどれくらい使うかの目安を表にしました。

プレゼンテーションの構成を、はじめの結論・なかの理由と具体例・おわりのまとめの3つに分け、時間に合わせて要点の数を変える考え方を示した図解
時間はじめ(結論・問い)なか(理由・具体例)おわり(まとめ)
3分30秒ほど要点1つを2分ほど30秒ほど
5分1分ほど要点2つを3分ほど1分ほど
10分1分半ほど要点3つを7分ほど1分半ほど

秒数はあくまで練習の目安です。大事なのは、最初に結論を言い、最後にもう一度言い直すことなんです。

構成の組み立て方

プレゼンの構成を作る手順
  1. テーマに対する自分の結論を一文で決める
  2. 結論を支える要点を、時間に合わせて1〜3つ選ぶ
  3. 要点ごとに具体例や調べた事実を一つずつつける
  4. 最初の一言と最後のまとめの文を決める
  5. 声に出して時間を計り、長すぎる所を削る

例えば「異文化との共生について」のようなテーマなら、はじめの一言はこんな形です。

「私は、異なる文化を持つ人と共に暮らすには、まず互いの日常を知る機会を増やすことが大切だと考えます。今日はその理由を2つお話しします」

最初に「理由を2つ」と言っておくと、聞く側が話の地図を持てます。桃山学院大学の国際教養学部(2027年度入試)のプレゼンテーション方式では、このテーマが示されています。

資料の作り方と練習の進め方

資料は「話を助ける道具」、主役は自分の言葉

資料の枚数や持ち込みの可否は大学ごとに違います。資料を作り込みすぎるより、資料がなくても話せる状態にしておくのが安心です。

『スライドをきれいに作らなきゃ』と思うと、時間がいくらあっても足りませんよね。

梅花女子大学のプレゼンテーション型は資料を表紙含め6枚まで、北海学園大学の経済学部は資料・PCの持ち込みが不可でホワイトボードは使用可と、条件はさまざまです。まずは要項の条件を確かめましょう。

資料を作る前に確かめること
  • 資料の持ち込みができるか、枚数や形式の決まりはあるか
  • パソコンやプロジェクターを使えるか
  • ホワイトボードや紙に書きながら話す形か
  • 発表と質疑応答の時間がそれぞれ何分か

練習は「時間を計る」ことから

プレゼンの練習では、毎回ストップウォッチで時間を計りましょう。本番は緊張で早口になりやすいので、練習では少しゆっくり話すくらいがちょうどいいです。

スマホで録画して見返すと、目線が下がっている所や「えーと」が多い所がよく分かります。家族や先生に聞いてもらい、「一番伝わった所はどこ?」と聞いてみるのもおすすめです。

当日課題型は「お題を決めて短時間でまとめる」練習を

当日課題型を受ける方は、家族や友だちにその場でお題を出してもらう練習が効きます。

例えば「町の図書館をもっと使ってもらうには?」というお題で、時間を区切って要点をメモし、すぐに話してみるやり方です。最初はうまくいかなくても、回数を重ねるうちに組み立てる速さが上がっていきます。

よくある失敗

原稿を一字一句書いて、それを読み上げてしまうこと。目線がずっと下を向き、聞く側に考えが伝わりにくくなります。原稿は要点のキーワードだけのメモにして、自分の言葉で話す練習をしておきましょう。

プレゼンで話す中身は、志望理由書と食い違わないようにしておくことも大切です。志望理由の組み立てはAO入試の志望理由書の書き方で解説しています。

一人での練習だけでは、話の分かりにくい所に気づきにくいこともあります。プレゼンテーションや面接の練習を見てもらえる対策塾の無料相談で、練習の進め方を聞いてみる方法もあります。

AO入試ガイド

志望理由書・面接・小論文の準備に不安がある方へ

AO入試(総合型選抜)は、書類と面接の準備で差がつきやすい入試です。一人で進めるのが不安な時は、総合型選抜の対策を専門にしている塾の無料相談で、今の準備の状況と志望校に合う進め方を聞いてみましょう。

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質疑応答の準備をしておこう

質疑応答は「発表の中身を深める質問」が中心

多くの方式で、発表のあとに質疑応答があります。発表で話した内容から質問されるので、自分の発表に「なぜ」を向けて準備しておきましょう。

『発表は練習できても、質問に答えられるか不安』という方も多いはずです。

質疑応答は、発表の内容をもとに深く聞かれる時間です。龍谷大学の政策学部は発表7分に対して質疑が8分と、発表と同じくらいの時間がとられています。

質問の種類質問の例準備のしかた
根拠を聞くその数字や事実はどこで調べましたか調べた資料の名前をメモしておく
深掘りなぜその方法が一番いいと考えたのですか他の方法と比べた理由を用意する
反対意見〇〇という考えもありますが、どう思いますか反対の立場の意見を一度考えておく
大学とのつながり入学後、このテーマをどう学びますか授業やゼミと結びつけて話せるようにする

答えに詰まった時は、「少し考える時間をいただけますか」と言ってから答えて大丈夫です。質疑応答の準備は、面接の準備とほとんど同じです。AO入試の面接対策もあわせて読んでみてください。

AO入試のプレゼンテーションでよくある相談

悩みの多くは「時間」と「原稿」

知恵袋などでは、時間どおりに話せなかった不安と、原稿の使い方についての相談がよく見られます。

AO入試のプレゼンテーションについて、よく見かける相談を3つ選んで答えていきます。

5分以内のプレゼンで、2分しか話せなかった

「5分以内のプレゼンなのに、2分も話せなかった。これで落ちるのか」という相談です。

結果は、プレゼンだけでなく書類や面接などもあわせて判定されることが多いので、時間だけで決まるとは言えません。ただ、時間が大きく余ったということは、話す中身が足りなかった可能性があります。

次の入試に向けては、要点ごとに具体例を一つずつ足す練習をしてみてください。時間を計って練習すれば、話す量の感覚がつかめてきます。

原稿を見ながら発表してもいい?

「AO入試のプレゼンで、原稿を見ながら発表していいのか」という相談も多くあります。

原稿や資料を持ち込めるかどうかは、大学の決まりによります。北海学園大学の経済学部のように、資料の持ち込みが不可の方式もあります。

持ち込みができる場合でも、読み上げるより、キーワードのメモを見ながら話すほうが伝わりやすいです。『原稿がないと話せない』という方は、まずメモだけで話す練習から始めてみましょう。

「プレゼン5分、質疑応答10分」の質疑は何を聞かれる?

「プレゼン5分、質疑応答10分と書かれているが、質疑はプレゼンについて聞かれるのか」という相談です。

多くの場合、発表した内容をもとに質問されると考えておくのが自然です。発表より質疑の時間が長い場合は、質疑でより深く考えを確かめる意図があると考えられます。

発表で話しきれなかった調べた内容は、質疑で聞かれた時に答えられるようにメモしておきましょう。

よくある質問

AO入試のプレゼンテーションでは何が評価されますか?

決められた時間で、テーマに対する自分の考えを筋道立てて伝えられるかが大切です。多くの方式では発表のあとに質疑応答があり、考えの深さも見られます。

プレゼンのテーマはいつ分かりますか?

方式によって違います。龍谷大学の政策学部や梅花女子大学のプレゼンテーション型のように事前にテーマが公表される方式と、九州大学の教育学部のように当日に課題が示される方式があります。

スライドや資料は必要ですか?

大学の決まりによります。梅花女子大学のプレゼンテーション型は資料が表紙含め6枚まで、北海学園大学の経済学部は資料・PCの持ち込みが不可です。要項で条件を確かめましょう。

人前で話すのが苦手でも大丈夫ですか?

上手な話し方より、結論・理由・まとめの構成で伝えることが大切です。時間を計って声に出す練習をくり返せば、少しずつ話せるようになります。

まとめ

この記事の要点
  • AO入試のプレゼンテーションは、自分で話を組み立てて時間内に発表する選考
  • 出題は事前課題型と当日課題型に分かれ、時間や資料の条件は大学ごとに違う
  • 構成は結論・理由と具体例・まとめの3つで、時間に合わせて要点の数を決める
  • 原稿の読み上げは避け、キーワードのメモで話す練習をする
  • 質疑応答は発表の中身を深める質問が中心なので、面接と同じように準備する
AO入試ガイド

AO入試ガイド 編集部

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