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AO入試の志望理由書を前にして、何から書けばいいのか手が止まっている方も多いですよね。
結論から言うと、志望理由書は「きっかけ」「学びたいこと」「その大学である理由」「将来」の4つのブロックで組み立てると書きやすくなります。いきなり清書せず、メモから始めて3回に分けて直すのがコツです。
この記事では、AO入試の志望理由書の書き方を、構成の型と書き直しの進め方の順に紹介します。
AO入試の志望理由書で大学が見ていること
志望理由書は「なぜこの大学で、何を学びたいのか」を伝える書類です。立派な実績を並べるより、経験と学びたいことがつながっているかが大事なんです。
『すごい経験がないと、志望理由書なんて書けないよね…』と思っていませんか。
実は、そんなことはありません。慶應義塾大学 総合政策学部・環境情報学部のAO入試の要項でも、学習以外の特別な活動実績がなくても、学びたいことを明確に持っている人の出願を歓迎すると書かれています。
AO入試は、大学の正式名称では2021年度入試から「総合型選抜」になりました。文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項(2027年度入試)では、能力・適性や学習意欲、目的意識等を総合的に評価する入試とされています。
志望理由書は、この「学習意欲」と「目的意識」をいちばん直接に伝える書類なんです。
字数や形式は大学ごとにかなり違う
志望理由書と一口に言っても、求められる字数や形式は大学によってさまざまです。2027年度入試の例を並べてみました。
| 大学・方式 | 志望理由に関わる書類 |
|---|---|
| 帝京大学 総合型選抜 | 志望理由200字程度(インターネット出願時に入力) |
| 日本経済大学 AO入試 | 志望理由か自己PR文400文字程度、または自己PR動画 |
| 北星学園大学 総合型選抜 | 学修計画書(志望理由400字・活動報告300字・学修計画800字) |
| 慶應義塾大学SFC AO入試(2026夏秋AO) | 志望理由・入学後の学習計画・自己アピール(日本語2000字以内)とA4で2枚以内の自由記述 |
200字と2000字では、書き方の細かさが変わります。最初に、自分の志望校が何字でどんな項目を求めているかを確かめておきましょう。
AO入試の全体の流れは、AO入試のやり方で順番に紹介しています。
志望理由書は4つのブロックで組み立てる
4つのブロックに分けて書くと、話が一本の線でつながりやすくなります。どの字数でも使える型なので、まずはこの型で下書きを作ってみてください。
『書きたいことはあるのに、うまくまとまらない』という悩みはとても多いです。
原因の多くは、話の順番が決まっていないことにあります。そこで、志望理由書を次の4ブロックで組み立ててみましょう。
| ブロック | 書くこと | 読み手が知りたいこと |
|---|---|---|
| 1 きっかけ | その分野に興味を持った出来事 | なぜその分野なのか |
| 2 学びたいこと | 大学で深めたい問いやテーマ | 何をしたいのか |
| 3 その大学である理由 | 授業・ゼミ・カリキュラムなどとの結びつき | なぜこの大学なのか |
| 4 将来 | 学んだことをどう生かしたいか | 入学後と卒業後の姿 |

ブロック1:きっかけは「場面」で書く
きっかけは、興味を持った具体的な場面を書くのがポイントです。
例えば「地域のボランティアで、商店街の空き店舗が増えていると知った」のように、いつ・どこで・何を見たかが分かる書き方にします。
「昔から人の役に立ちたいと思っていた」だけだと、誰にでも書ける文になってしまいます。場面が一つ入るだけで、ぐっと自分の話になるんです。
ブロック2:学びたいことは「問い」の形にする
学びたいことは、「〇〇について学びたい」より、問いの形にすると深くなります。
例えば「空き店舗を地域の人が使える場所にするには、どんな仕組みが必要なのかを学びたい」のような書き方です。問いがあると、面接でも話を広げやすくなります。
ブロック3:その大学である理由は「調べた事実」で書く
ここがいちばん差がつくところです。
『どの大学にも当てはまる理由しか書けない…』と悩む方は多いですよね。そんな時は、志望学部の授業名やゼミ、カリキュラムの特徴を調べ、自分の問いとどうつながるかを書いてみてください。
オープンキャンパスの模擬授業や、学部の説明会で聞いた話も材料になります。聞いた内容をそのまま写すより、「その話を聞いて、自分の問いをこう深められると思った」と書くと伝わりやすいです。
ブロック4:将来は大きすぎない目標でいい
将来は、職業名をひとつ書くだけでなく、学んだことをどう使いたいかを書きます。
まだ将来の仕事が決まっていなくても大丈夫です。「地域の課題に関わる仕事がしたい」くらいの広さでも、きっかけや学びたいことと筋が通っていれば十分に伝わります。
4ブロックをつなげるとこうなる
型のイメージをつかむために、4ブロックをつなげた短い例を置いておきます。中身はあくまで書き方の見本なので、自分の経験に置き換えて使ってください。
「地域の清掃ボランティアに参加した時、商店街に閉まったままの店が多いことに気づきました。」(きっかけ)
「そこから、空き店舗を地域の人が集まれる場所に変えるには、どんな仕組みが必要なのかを知りたいと考えるようになりました。」(学びたいこと)
「貴学の〇〇学部では、地域の課題を現場で調べる授業があり、自分の問いを実際のまちで確かめられると考えました。」(その大学である理由)
「大学で学んだことを生かし、将来は地域の人と一緒にまちの使い方を考える仕事に関わりたいです。」(将来)
『こんなに短くていいの?』と思った方もいるかもしれません。これは骨組みです。字数に合わせて、各ブロックに調べたことや考えたことを足していけば、長い志望理由書にも育てられます。
つなぎの一文で読みやすさが変わる
ブロックとブロックの間には、話をつなぐ一文を入れると読みやすくなります。
| つなぐ所 | つなぎの一文の例 |
|---|---|
| きっかけから学びたいことへ | 「そこから、〇〇について考えるようになりました」 |
| 学びたいことから大学へ | 「この問いを深めるために、〇〇を学べる環境が必要だと考えました」 |
| 大学から将来へ | 「ここで学んだことを、将来は〇〇に生かしたいです」 |
つなぎの一文がないと、4つの話が別々に並んでいるように読めてしまいます。書き終えたら、ブロックの境目だけを読み返してみてください。
200字程度の短い志望理由なら、4ブロックを1〜2文ずつにまとめます。順番はそのままで、それぞれを短くするだけで大丈夫です。
書き出す前のメモ表を作ろう
白紙の原稿用紙に向かうと手が止まります。先に質問に答える形でメモを作ってから書き始めると、書くスピードがぐっと上がります。
『書き出しの一文が浮かばない』という時は、文章を書こうとしていることが原因かもしれません。
まずは次のメモ表を作って、思いつくままに書き込んでみてください。きれいな文でなくてかまいません。
| 質問 | メモに書くこと |
|---|---|
| いつ、何がきっかけで興味を持った? | 場面、見たもの、感じたこと |
| そのあと自分で何をした? | 調べたこと、読んだ本、行動したこと |
| まだ分からないことは何? | 大学で解きたい問い |
| 志望校のどの授業・ゼミで学べる? | 授業名、学部の特徴、説明会で聞いた話 |
| 他の大学ではだめな理由は? | その大学にしかない学び方 |
| 学んだことをどう使いたい? | 将来の仕事や活動のイメージ |
メモを4ブロックに振り分ける
メモができたら、それぞれを4ブロックのどこに入れるかを決めます。
- メモ表の質問すべてに、短い言葉で答えを書く
- 答えを「きっかけ・学びたいこと・その大学である理由・将来」に振り分ける
- ブロックごとに2〜3文の文章にする
- 4つをつなげて読み、話が途切れる所に一文足す
- 求められている字数に合わせて削ったり足したりする
活動の経験が少なくて書くことが見つからない方は、AO入試で活動実績がない時は?も参考にしてみてください。授業の中で気になったことや、家の手伝いで考えたことも、立派なきっかけになります。
書き直しは3回に分けてチェックする
書き直しは「中身」「つながり」「表記と字数」の3回に分けると、見落としが減ります。1回ごとに見る所を決めておくのがコツです。
『何回直せば完成なの?』と思う方もいますよね。
決まった回数はありませんが、見る所を分けて少なくとも3回は読み直すのがおすすめです。

| 回 | 見る所 | よくある直し |
|---|---|---|
| 1回目 | 中身 | 抽象的な言葉を具体的な場面に変える |
| 2回目 | つながり | きっかけと学びたいことの間に説明を足す |
| 3回目 | 表記と字数 | 誤字、文末のそろえ方、字数の過不足を直す |
1回目:中身のチェック
- きっかけに具体的な場面が書けているか
- 学びたいことが問いの形になっているか
- その大学でなければならない理由が書けているか
- 他の人にも当てはまる言葉だけで終わっていないか
1回目で出てきやすい「ふわっとした言葉」は、次のように言い換えてみましょう。
| ふわっとした言葉 | 具体的にする言い換えの例 |
|---|---|
| 人の役に立ちたい | 「地域の高齢の方が買い物に困らない仕組みを作りたい」 |
| 幅広く学びたい | 「〇〇と△△の両方の授業を取り、つながりを考えたい」 |
| 貴学の教育方針に共感した | 「〇〇の授業で、現場に出て調べる学び方ができる点にひかれた」 |
| 貴重な経験になった | 「その経験で、〇〇は思っていたより複雑だと気づいた」 |
2回目:つながりのチェック
2回目は、4つのブロックが一本の線でつながっているかを見ます。
声に出して読んでみると、話が飛んでいる所が分かりやすいです。家族や先生に読んでもらい、「どうしてこの大学なの?」と聞いてもらうのもいい方法です。
読んでもらった人に、こんなふうに聞いてみるのもおすすめです。
「読み終わって、私が大学で何を学びたいのか一言で言える?」
相手が答えに詰まったら、学びたいことのブロックがまだぼやけているサインです。そこを中心に書き足してみましょう。
3回目:表記と字数のチェック
最後に、誤字や表記ゆれ、字数を確かめます。です・ます調とだ・である調が混ざっていないかも見ておきましょう。
手書きの場合は、本番の用紙に書く前に、下書き用の紙に同じ字数で書いてみると失敗が減ります。九州大学の総合型選抜(2027年度入試)のように、志望理由書などを本人の自筆で書くことが原則の大学もあります。
生成AIに文章を作らせて、そのまま出してしまうこと。九州大学は、生成系AIツールを含め本人以外が作ったと認められた場合は不正行為とみなし、入学許可を取り消すことがあると明記しています。明治学院大学も、生成AIが作ったものをそのまま使った出願書類は受験生独自の成果物とはみなさないとしています。
自己推薦書・エントリーシート・活動報告書との違い
書類の名前が違っても、聞かれていることの重心が違うだけです。それぞれの役割を分けて書くと、内容がかぶりません。
『志望理由書と自己推薦書、同じことを書いてもいいの?』と迷う方も多いはずです。
AO入試では、志望理由書のほかにいくつかの書類を出すことがあります。役割を比べてみましょう。

| 書類 | 主に書くこと | 重心 |
|---|---|---|
| 志望理由書 | なぜこの大学で何を学びたいか | これから |
| 自己推薦書・自己PR文 | 自分の強みと、それを示す経験 | これまで |
| 活動報告書 | 高校時代に取り組んだ活動と成果 | これまで |
| エントリーシート | 大学ごとに決まった質問への答え | 大学の質問による |
| 学修計画書 | 入学後に何をどう学ぶか | これから |
例えば大東文化大学の総合型選抜(2027年度)では、文学部日本文学科(前期)で自己推薦書(1200字以内)を求めています。大手前大学の課題方式(2027年度入試)は、400字詰原稿用紙4〜5枚の課題作文を自筆で書きます。
- 志望理由書では学びたい問いと大学の結びつきを書く
- 自己推薦書では強みを示す経験を書く
- 同じ経験を使う時は、書類ごとに伝える面を変える
- どの書類にも同じ経験談をそのまま書く
- 志望理由書が過去の活動の説明だけで終わる
- 自己推薦書に将来の夢だけを書く
書類に書いた内容は、そのまま面接で深く聞かれます。書類と面接はセットで準備しておくと安心です。面接の準備はAO入試の面接対策で詳しく解説しています。
一人で書き直していると、どこが伝わっていないのか自分では気づきにくいものです。学校の先生に見てもらうほか、志望理由書の添削を受けられる対策塾の無料相談で、第三者の目を入れる方法もあります。塾の比べ方はAO入試の塾・予備校の選び方で紹介しています。
AO入試ガイド
志望理由書・面接・小論文の準備に不安がある方へ
AO入試(総合型選抜)は、書類と面接の準備で差がつきやすい入試です。一人で進めるのが不安な時は、総合型選抜の対策を専門にしている塾の無料相談で、今の準備の状況と志望校に合う進め方を聞いてみましょう。
無料ホワイトアカデミー高等部の無料相談を見るオンラインと対面から相談の形を選べます。指導の内容や料金は公式サイトで確かめてください。
AO入試の志望理由書でよくある相談
知恵袋などでよく見かける相談は、内容の悩みと、用紙やテーマの形式の悩みの2つに分かれます。
AO入試の志望理由書の書き方について、よく見かける相談を3つ選んで答えていきます。
「本学への志望理由」というテーマで、何を書けばいいか分からない
「AO入試の志望理由書に『本学への志望理由』というテーマがあるけれど、書き方が分からない」という相談です。
このテーマで聞かれているのは、4ブロックのうち「その大学である理由」が中心です。ただ、そこだけを書くと理由が浮いてしまいます。
きっかけと学びたいことを短く書いたうえで、「だからこの大学のこの授業で学びたい」とつなげると、テーマに沿った志望理由書になります。
ボランティアを数回しただけでも、書類に使える?
「ボランティアを3度したことがあるけれど、入試に使えるとは思っていなかった。書いてもいいのか」という相談もありました。
回数が少なくても、そこで何に気づき、そのあとどう考えたかが書ければ十分に材料になります。大事なのは回数より、経験と学びたいことのつながりです。
例えば日本経済大学の探究評価型入試(2027年度入試)でも、大会の規模やレベルは問わないと書かれています。小さな経験でも、自分の言葉で深く語れるものを選んでみてください。
誤字が多くて、本番の用紙に書くのが不安
「エントリーシートで誤字をよくしてしまう。本番の前にどう準備すればいいか」という相談です。
まず、パソコンやノートで下書きを完成させ、字数を確定させてから本番の用紙に写すのがおすすめです。写す前に、下書きを声に出して読み、言い回しも固めておきましょう。
本番の用紙は、大学から予備をもらえるとは限りません。書き損じた時の扱いや、修正テープを使ってよいかは、要項や大学の案内で確かめておくと安心です。
よくある質問
AO入試の志望理由書の書き方の基本を教えてください。
「きっかけ」「学びたいこと」「その大学である理由」「将来」の4ブロックで組み立てるのが基本です。先にメモ表を作ってから下書きを書き、中身・つながり・表記と字数の3回に分けて直すと仕上げやすくなります。
志望理由書は何字くらい書けばいいですか?
大学ごとに違います。2027年度入試では、帝京大学の総合型選抜は志望理由200字程度、日本経済大学のAO入試は400文字程度、慶應義塾大学SFCのAO入試は日本語2000字以内などさまざまです。志望校の要項で確かめましょう。
活動実績がなくても志望理由書は書けますか?
書けます。授業や身近な場面で興味を持ったきっかけと、大学で学びたい問いがつながっていれば、志望理由書として十分に伝わります。
志望理由書を生成AIで作ってもいいですか?
生成AIが作った文章をそのまま出すのはやめましょう。九州大学は本人以外が作ったと認められた場合は不正行為とみなすとしており、慶應義塾大学SFCや明治学院大学も生成AIが作ったものは受験生独自の成果物とみなさないとしています。
志望理由書と自己推薦書の違いは何ですか?
志望理由書は「これから大学で何を学びたいか」、自己推薦書は「これまでの経験と自分の強み」が中心です。同じ経験を使う場合は、書類ごとに伝える面を変えると内容がかぶりません。
まとめ
- AO入試の志望理由書は、きっかけ・学びたいこと・その大学である理由・将来の4ブロックで書く
- 字数や形式は大学ごとに大きく違うので、最初に要項で確かめる
- いきなり書かず、質問に答えるメモ表から下書きを作る
- 書き直しは中身・つながり・表記と字数の3回に分けてチェックする
- 生成AIで作った文章をそのまま出すと、不正行為とされる大学もある





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