AO入試と指定校推薦の違い|両方受けられる?選び方の考え方

AO入試(総合型選抜)と指定校推薦の違いと、両方を考える時の選び方を解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が文部科学省などの公的機関と、各大学・専門学校の公式サイトや募集要項の公開情報を調べて独自に執筆しています。入試の日程・選考内容・出願条件は年度ごとに変わるため、最新の情報は各大学・専門学校の募集要項で確認してください。

高3の夏が近づくと、指定校推薦の一覧が配られて、AO入試とどちらにするか迷い始める方も多いですよね。

結論から言うと、AO入試と指定校推薦のいちばんの違いは「枠を持つのは誰か」です。指定校推薦は大学が高校に枠を渡す入試で、AO入試は自分で手を挙げる入試なんです。

この記事を読むと、2つの違いと、両方を考える時の時期の注意、選び方の考え方が分かります。

目次

AO入試と指定校推薦の違いは?「枠を持つのは誰か」で見る

先に結論

指定校推薦は、大学が指定した高校の生徒だけが出願できる学校推薦型選抜です。AO入試(今の総合型選抜)は、出願条件を満たせば誰でも自分の意思で出願できます。

『指定校推薦もAOも、年内に決まる入試でしょ?』と、ひとまとめに考えている方もいるかもしれません。

実は、2つは入試の区分から違います。大学のAO入試は2021年度入試から「総合型選抜」になり、指定校推薦は「学校推薦型選抜」の中の一つです。

3つの観点で並べると、違いがはっきりします。

観点AO入試(総合型選抜)指定校推薦(学校推薦型選抜)
枠を持つのは誰か枠はない。条件を満たせば誰でも出願できる大学が指定した高校が枠を持つ
校内選考ない(調査書は高校に頼む)高校の中で推薦する生徒を選ぶ
出願の時期(2027年度入試)2026年9月1日以降2026年11月1日以降
見られるもの詳しい書類審査と丁寧な面接など推薦書と調査書が中心
合格後の辞退専願か併願可かは方式ごと私立大学では多くが専願

日付は文部科学省の「令和9年度大学入学者選抜実施要項」で決まっている「これより前にはしない」という決まりです。実際の日程は大学ごとに違います。

AO入試は自分で出願し、指定校推薦は大学が高校に渡した枠を校内選考で決めることを比べた図解

指定校推薦は「大学と高校の約束」の入試

文部科学省の委託調査(令和8年2月報告)では、指定校推薦を「大学が指定した学校の生徒のみが出願できる」入試として分類しています。

同じ調査では、令和7年度入試で私立大学の指定校推薦の93.4%が専願でした。合格したらその大学に入る前提の入試、と考えておくのが自然です。

AO入試は「自分で選んで手を挙げる」入試

実施要項では、総合型選抜は「入学志願者自らの意志で出願できる公募制という性格」の入試とされています。

校内で誰かと枠を争うことはありません。そのかわり、志望理由書や面接で、なぜその大学なのかを自分の言葉で伝える必要があります。

指定校推薦でも面接や試験はある?

『指定校推薦は校内選考に通れば、あとは書類だけ』と聞いたことがある方もいるかもしれません。

2027年度入試の実施要項では、学校推薦型選抜で面接による評価を行うことになりました。ただし、高校と連携した非公募型で、合格したら入学すると約束して受ける入試は、大学が面接の要否を判断できるとされています。

また、学校推薦型選抜では、書類に加えて次のうち少なくとも1つを使うことになっています。

  • 教科・科目の個別テスト
  • 大学入学共通テスト
  • 小論文・面接・実技検査など
  • 資格・検定試験などの成績

指定校推薦でも、小論文や面接の準備が要ることは多いんです。何が課されるかは、大学から高校に届く要項で確かめましょう。

指定校推薦の校内選考とAOの出願が重なる時期に気をつけたいこと

校内選考の締切は、AOの結果より先に来ることがある

指定校推薦の校内選考の時期は高校ごとに違います。AO入試の結果を待っていると、校内選考に間に合わないこともあります。

ここが大事なところです。指定校推薦とAOを両方考えている方が、いちばんつまずきやすいのが日程なんです。

AO入試は、2027年度入試では2026年9月1日以降に出願が始まります。例えば龍谷大学の学部独自方式(2027年度)は、第一次出願が9月1日から9月9日で、合格発表は11月1日です。

一方、指定校推薦の校内選考の時期は、高校がそれぞれ決めています。大学の募集要項には載っていないので、高校で確かめるしかないんです。

『AOの結果を見てから指定校推薦を考えよう』と思っていたら、校内の受付が終わっていた、ということも。

重なる時期の確かめ方
  1. 指定校推薦の一覧が配られる時期と、校内選考の受付締切を担任の先生に聞く
  2. 受けたいAO入試の出願期間・試験日・合格発表日を書き出す
  3. 2つをカレンダーに並べ、AOの結果が校内選考の締切より前に出るかを見る
  4. 結果が間に合わない場合、どちらを優先するかを家族と話しておく
  5. 指定校推薦に申し込んだあとAOを受けてよいか、高校のルールを確かめる

先生には、こんなふうに聞いてみてください。

「AO入試の合格発表が11月なんですが、指定校推薦の校内選考の締切はいつですか」

「今年は〇月の予定だよ。両方考えているなら、早めにどちらを優先するか決めようか」

よくある失敗

指定校推薦の校内選考に申し込んだあとで、AO入試にも出願してしまうこと。校内のルールで他の入試の受験に制限がかかることもあるので、申し込む前に先生へ確かめておきましょう。

AO入試と指定校推薦は両方受けられる?

大学のルールと高校のルール、両方で決まる

両方受けられるかどうかは、大学の募集要項と、高校の校内ルールの2つで決まります。片方だけ見て判断しないようにしましょう。

『同じ大学のAOと指定校推薦、両方出したら有利になる?』と考える方もいますよね。

ただ、同じ大学の中でも、AO入試と指定校推薦を一緒に受けられない例があります。

帝京大学の総合型選抜(2027年度)は、他大学との併願ができます。ただし、学校推薦型選抜(指定校制)は併願できる入試から除かれています。

大学によっては、そもそも推薦入試が指定校推薦だけというところもあります。

大学(2027年度入試)学校推薦型選抜の形
明治学院大学系列校特別推薦・指定校特別推薦のみ(公募制推薦はない)
北星学園大学大学が指定する学校からの推薦(公募制ではない)
梅花女子大学指定校推薦のみ

こうした大学では、指定校の枠がない高校の生徒にとって、年内の入試の中心はAO入試になります。

合格後の辞退と、入学までの過ごし方

実施要項では、3月31日までに辞退すれば授業料などが返される原則があります。ただ、専願や学校推薦型選抜に合格して在学契約を結んだ人は、この原則から外れています。

また、12月より前に入学手続をした人には、大学が入学までの課題を出すなどの準備を積極的に行うよう求めています。学校推薦型選抜では、推薦した高校の指導のもとで学習計画を立てる取り組みが望ましいともされています。

指定校推薦で早く合格が決まっても、そこで勉強が終わるわけではないんですね。

AO入試の併願の決まり方はAO入試は併願できる?、専願の意味はAO入試の専願とは?でくわしく解説しています。

AO入試と指定校推薦、どちらを選ぶ?チェックリスト

「行きたい大学の枠があるか」から考える

どちらが有利かは、人によって違います。まずは行きたい大学の指定校の枠が自分の高校にあるかを確かめ、そのうえで自分の強みと照らし合わせましょう。

『指定校の一覧に行きたい大学があるけれど、AOでもっと上を目指したい』と悩む方もいますよね。

次のチェックで当てはまる数が多いほうを、まず考えてみてください。

行きたい大学の指定校の枠があるか、合格したら入ると決められるかなどから、指定校推薦とAO入試のどちらを選ぶかを考える流れを示した図解
指定校推薦が合いそうな人
  • 行きたい大学・学部の指定校の枠が自分の高校にある
  • 評定が、その枠の基準を満たしていそう
  • 合格したらその大学に入ると、今の時点で決められる
  • 校内選考の時期までに志望を固められる
AO入試が合いそうな人
  • 行きたい大学の指定校の枠が自分の高校にない
  • 部活・探究・資格など、志望理由につながる経験がある
  • 学びたいことを自分の言葉で説明できる
  • 夏休みに志望理由書を書く時間をとれる
指定校推薦を選ぶ良さ
  • 校内選考に通れば、出願から先の見通しが立てやすい
  • 推薦書と調査書を活かせる
指定校推薦で気をつけたいこと
  • 多くは専願で、合格後の辞退が難しい
  • 校内選考の時期が早く、迷う時間が短い

AO入試を選ぶ場合は、志望理由書と面接の準備が合否を大きく左右します。書類の見てもらい方に迷ったら、対策塾の無料相談で一度相談してみるのも一つの方法です。

AO入試ガイド

志望理由書・面接・小論文の準備に不安がある方へ

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AO入試と指定校推薦でよくある相談

相談の多くは「順番」と「高校での立場」

指定校推薦は高校が関わる入試なので、大学のルールだけでなく高校での手続きも気にする相談が目立ちます。

知恵袋などでよく見かける相談から、4つ選んで答えていきます。

AO入試に落ちたら、指定校推薦を受けられる?

「AO入試に不合格だった場合、そのあと指定校推薦に切り替えられるのか」という相談です。

結論から言うと、校内選考の受付がまだ開いていて、枠が残っていれば可能性はあります。ただ、校内選考はAOの結果より前に終わることも多いです。

不安な時は、AOに出願する前の段階で、先生に「不合格だったら指定校推薦は間に合いますか」と聞いておくと安心です。

急に指定校推薦をもらえることになったけれど、AOも考えていた

「高3で急に指定校推薦をもらえることになったが、AO入試や一般入試も考えていた」という相談もありました。

ここで考えたいのは、指定校推薦の大学に、合格したら入ると決められるかどうかです。多くの指定校推薦は専願なので、迷いが残るまま受けるのはおすすめしにくいです。

一方で、行きたい気持ちがはっきりしているなら、校内選考に通った時点で進路の見通しが立ちやすくなります。

同じ大学に指定校推薦とAOがある時は、どちらで受ける?

「志望する大学に、指定校推薦と大学独自のAO入試の両方がある。どちらで受けるのがよいか」という相談もありました。

まず確かめたいのは、自分の高校にその大学の指定校の枠があるか、校内選考に通る見込みがあるかです。枠があっても希望者が多ければ、校内選考で選ばれないこともあります。

次に、AO入試の方式が専願か併願可か、選考で何が課されるかを募集要項で見ます。面接や課題で自分の経験を伝えたいなら、AO入試のほうが力を出しやすい場合もあります。

どちらにするか決めきれない時は、担任の先生に「校内選考の見込み」を聞いてから判断すると、迷いが減りますよ。

欠席や遅刻は、指定校推薦やAOに響く?

「校外学習を休んだが、指定校推薦やAO入試の出席に響くか」という相談です。

実施要項では、大学は調査書の成績だけでなく、他の記載事項も活用することになっています。出欠は調査書に書かれる項目の一つです。

ただ、1日休んだことがどう評価されるかは、大学や高校ごとに違い、一概には言えません。気になる時は、担任の先生に直接聞いてみましょう。

よくある質問

AO入試と指定校推薦のいちばんの違いは何ですか?

枠を持つのが誰かです。指定校推薦は大学が指定した高校の生徒だけが校内選考を経て出願でき、AO入試(総合型選抜)は条件を満たせば誰でも自分の意思で出願できます。

指定校推薦のあとにAO入試を受けられますか?

指定校推薦の多くは専願なので、合格したらその大学に入るのが前提です。合格後に他のAO入試を受けるのは、大学と高校のルール上難しいことが多いので、先生に確かめましょう。

AO入試と指定校推薦は、同じ大学で両方出せますか?

大学によります。帝京大学の総合型選抜(2027年度)のように、指定校制の学校推薦型選抜とは併願できないと書かれている例もあります。募集要項の併願の欄で確かめましょう。

指定校推薦の枠がない時はどうすればいいですか?

公募推薦やAO入試を考えます。明治学院大学のように学校推薦型選抜が系列校・指定校だけの大学では、AO入試が年内に受けられる入試の中心になります。

まとめ

この記事の要点
  • 指定校推薦は大学が高校に枠を渡す入試、AO入試は自分で手を挙げる入試
  • 私立大学の指定校推薦は93.4%が専願(令和7年度入試・文部科学省委託調査)
  • 校内選考の締切はAOの結果より先に来ることがあるので、日程を並べて確かめる
  • 両方受けられるかは、大学の募集要項と高校の校内ルールの両方で決まる
  • 行きたい大学の枠があるか、合格したら入ると決められるかで選ぶ
AO入試ガイド

AO入試ガイド 編集部

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