当サイトの記事は、編集部が文部科学省などの公的機関と、各大学・専門学校の公式サイトや募集要項の公開情報を調べて独自に執筆しています。入試の日程・選考内容・出願条件は年度ごとに変わるため、最新の情報は各大学・専門学校の募集要項で確認してください。
AO入試と推薦入試は、どちらも秋に受ける入試ですよね。『AO入試は推薦入試の一種なの?』と迷っている方も多いはずです。
結論から言うと、AO入試と推薦入試は別の入試です。いちばん大きな違いは、高校の校長の推薦が要るかどうかと、出願できる時期です。
この記事を読むと、2つの違いと、秋に両方を受ける時の順番の決め方が分かります。
AO入試は推薦入試の一種?まず今の名前を押さえよう
大学のAO入試は2021年度入試から「総合型選抜」、推薦入試は「学校推薦型選抜」という名前になりました。2つは別の区分で、AO入試は推薦入試の一種ではありません。
「AO推薦」「AO型推薦入試」といった言葉を見かけることもありますよね。
実はこれは、AO入試と推薦入試をまとめて呼ぶ時の言い方です。正式な入試の区分は、次のように分かれています。
| 以前の名前 | 今の名前(2021年度入試から) | 主な中身 |
|---|---|---|
| AO入試 | 総合型選抜 | 自己推薦型・探究型など大学ごとの方式 |
| 推薦入試 | 学校推薦型選抜 | 指定校推薦・公募推薦・附属校推薦 |
| 一般入試 | 一般選抜 | 大学の個別試験・共通テスト利用など |
今も高校や塾では「AO」「推薦」という言い方がよく使われます。この記事でも、昔の名前と今の名前を並べて書いていきますね。
文部科学省の実施要項に書かれた2つの定義
文部科学省の「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(2027年度入試)では、2つの入試を次のように定めています。
総合型選抜は、詳しい書類審査と時間をかけた丁寧な面接などを組み合わせ、能力・適性や学習意欲、目的意識などを総合的に評価する入試です。「入学志願者自らの意志で出願できる公募制という性格」とも書かれています。
学校推薦型選抜は、出身高校の校長の推薦に基づき、調査書を主な資料にしながら評価する入試です。こちらは「入学志願者自らの意志のみで出願できるものではなく」とされています。
つまり、AO入試は「自分で手を挙げる入試」、推薦入試は「高校に推してもらう入試」なんです。原文は文部科学省の大学入学者選抜実施要項のページで読めます。
AO入試そのものの仕組みは、AO入試とは?総合型選抜との関係と仕組みで詳しくまとめています。

AO入試と推薦入試の違いを5つの観点で比べる
5つを並べると、AO入試と推薦入試は準備の始め方から違うことが分かります。
『結局、どこがどう違うの?』というのが、いちばん多い疑問ですよね。
2027年度入試の実施要項をもとに、5つの観点で並べてみました。
| 観点 | AO入試(総合型選抜) | 推薦入試(学校推薦型選抜) |
|---|---|---|
| 高校長の推薦 | 要らない(自分の意思で出願) | 要る(推薦書を出す) |
| 評定の条件 | 大学・方式ごと。条件なしの方式もある | 大学が推薦要件として決める |
| 出願の時期 | 2026年9月1日以降 | 2026年11月1日以降 |
| 結果の発表 | 2026年11月1日以降 | 2026年12月1日以降 |
| 見られるもの | 詳しい書類審査と丁寧な面接など | 調査書が中心+面接や学力の確認 |
| 併願 | 専願か併願可かは大学・方式ごと | 専願か併願可かは大学・方式ごと |
日付は実施要項の「これより前にはしない」という決まりです。実際の出願日や試験日は大学ごとに違うので、志望校の募集要項で確かめましょう。
高校長の推薦:校内の手続きが要るかどうか
推薦入試では、高校の校長の推薦をもらう必要があります。そのため、まず担任の先生に相談して、校内の手続きを進めることになります。
AO入試は自分で出願できます。ただ、調査書は高校に作ってもらうので、先生に「受けます」と伝えておくのが自然です。
先生への伝え方は、こんな一言で十分です。
「〇〇大学の総合型選抜を受けようと考えています。調査書をお願いする時期を教えていただけますか」
評定の条件:AOでも条件がある方式は多い
『AOなら評定は関係ないよね』と思われがちですよね。ただ、AO入試にも評定の条件がある方式は少なくありません。
例えば、玉川大学の総合型入学審査(2027年度)では、多くの学部で全体の学習成績の状況3.5以上などの基準があります。一方、慶應SFCのAO入試(2026夏秋AO)は、評定の出願条件を設けていません。
推薦入試では、高校が推薦できるかを判断するために、大学が推薦要件をできるだけ具体的に決めて示すことになっています。
出願の時期:AO入試のほうが2か月早い
2027年度入試の決まりでは、総合型選抜は2026年9月1日以降、学校推薦型選抜は11月1日以降に出願できます。
AO入試を受けるなら、夏休みの間に志望理由書などの書類を仕上げる必要があるんです。
見られるもの:どちらも面接と学力の確認がある
2027年度入試から、総合型選抜・学校推薦型選抜とも面接による評価を行うことになりました。どちらを受けるにしても、面接の準備は欠かせません。
学校推薦型選抜では、調査書などの書類に加えて、次のうち少なくとも1つを使うことになっています。
- 教科・科目の個別テスト
- 大学入学共通テスト
- 小論文・面接・実技検査など
- 資格・検定試験などの成績
出す書類:自分で書くものと、高校が書くもの
AO入試では、志望理由書や活動の報告書など、自分で書く書類が中心になります。慶應SFCのAO入試(2026夏秋AO)のように、志望理由や入学後の学習計画を長い文章で出す方式もあります。
推薦入試では、高校が推薦書を書きます。実施要項では、推薦書に学習や活動の記録を踏まえた学力の評価を書くよう求めています。
九州大学や慶應SFC、明治学院大学の募集要項(2027年度入試向け)では、生成AIが作った書類を本人の成果物とみなさないなどの扱いが書かれています。下書きの相談に使う場合も、最後は自分の言葉で書き直しましょう。
併願:入試の種類ではなく募集要項で決まる
併願できるかどうかは、AOか推薦かでは決まりません。大学が方式ごとに募集要項で決めています。
文部科学省の委託調査(令和7年度入試)では、併願の決まりを「専願」「学内のみ併願可」「第1志望」「他校併願可」に分けて調べています。詳しくはAO入試は併願できる?で紹介しています。
「公募推薦」という名前でも、区分は総合型選抜という入試があります。法政大学の公募推薦入試(2027年度)や、甲南大学の公募制推薦入学試験【教科科目型】がその例です。名前だけで日程やルールを判断しないようにしましょう。
推薦入試の中にある「指定校」と「公募」の違い
同じ推薦入試でも、指定校推薦と公募推薦では、出願できる人と併願のしやすさが違います。
推薦入試にはいくつも種類があって、分かりにくいですよね。
文部科学省の委託調査(令和8年2月報告)では、学校推薦型選抜を次の3つに分けています。
| 種類 | 出願できる人 | 私立大学での併願(令和7年度入試) |
|---|---|---|
| 公募型(公募推薦) | 出願要件を満たし、高校の推薦をもらえる人なら誰でも | 59.1%が他校との併願が可能 |
| 指定校(指定校推薦) | 大学が指定した高校の生徒だけ | 93.4%が専願 |
| 附属高校 | 大学の附属高校の生徒だけ | (この記事では扱いません) |
指定校推薦はほとんどが専願なので、AO入試とどう組み合わせるかを早めに考えておく必要があります。
公募型の割合(入学者数ベース・令和7年度入試)は、国立98.4%・公立90.3%・私立23.1%でした。私立大学の推薦入試は、指定校や附属校が中心ということなんです。
それぞれの違いは、AO入試と指定校推薦の違いとAO入試と公募推薦の違いでくわしく比べています。
AOと推薦で入学している人はどのくらい?
文部科学省の「令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」によると、令和7年度の大学入学者のうち、学校推薦型選抜は34.1%、総合型選抜は19.5%でした。
| 設置者 | 学校推薦型選抜 | 総合型選抜 |
|---|---|---|
| 国立大学 | 12.7% | 7.7% |
| 公立大学 | 26.9% | 6.0% |
| 私立大学 | 38.8% | 22.8% |
| 大学全体 | 34.1% | 19.5% |
私立大学では、2つを合わせると入学者の半分を超えています。AOや推薦で大学に入るのは、特別なルートではないんですね。
国立大学協会の2027年度入学者選抜の実施要領では、1人の推薦は1つの大学・学部に限るとされています。国立大学の推薦を考えている方は、他の入試との組み合わせを先生とよく確かめておきましょう。
秋にAO入試と推薦入試を両方受けるなら、どの順番?
AO入試の結果が出たあとに推薦入試へ出願する、という順番を組みやすい日程になっています。
『AOに落ちたら推薦に切り替えたい』と考える方も多いはずです。
2027年度入試の決まりに沿って、秋から冬の流れを並べるとこうなります。
| 時期の目安 | AO入試(総合型選抜) | 推薦入試(学校推薦型選抜) | 一般入試(一般選抜) |
|---|---|---|---|
| 2026年9月〜 | 出願が始まる | 校内の手続きを進める | 共通テストの出願(9月15日〜10月2日) |
| 2026年11月〜 | 結果の発表が始まる | 出願が始まる | 勉強を続ける |
| 2026年12月〜 | 後期の日程がある大学も | 結果の発表が始まる | 勉強を続ける |
| 2027年1月 | 共通テストを使う方式の判定 | 共通テストを使う方式の判定 | 共通テスト本試験(1月16日・17日) |
| 2027年2月〜 | なし | なし | 個別試験(2月1日〜3月25日) |
例えば、10月にAO入試を受けて、11月上旬に結果が出る大学があるとします。不合格なら、11月の推薦入試の出願期間に別の大学へ出す、という流れが考えられます。

担任の先生と相談する時は、こんなふうに聞くと話が早いです。
「〇〇大学のAOの結果が11月に出ます。不合格だった時に、推薦入試の校内の手続きに間に合いますか」
「間に合うかどうかは校内の締切次第だね。一覧を確認しておこう」
両方受ける時の順番の決め方
- 第一志望の大学がAO入試と推薦入試のどちらを実施しているか調べる
- それぞれの出願期間・試験日・合格発表日・入学手続の締切を書き出す
- 専願の方式がないか、出願資格の欄で確かめる
- 専願の方式は、合格したら入学してよい大学だけにする
- 推薦入試を受けるなら、校内の手続きの締切を先生に聞く
指定校推薦とAOは重ねにくい
指定校推薦は、校内選考の時期がAO入試の出願と重なりやすい入試です。そして指定校推薦の多くは専願です。
そのため、「AOの結果を待ってから指定校推薦に申し込む」という順番は、高校の日程によっては組めないこともあります。
どちらも受けたい場合は、夏休み前に担任の先生へ相談しておきましょう。
AO入試と推薦入試、どちらから考える?30秒の判定表
どちらが受かりやすいかは大学ごとに違うので、ひとくくりには言えません。自分の強みがどちらの選考に合うかで考えるほうが、あとで後悔しにくいです。
『評定はそこそこだけど、目立つ実績はない。どっちがいいの?』と悩む方もいますよね。
次の表で、自分の状況に近い行を探してみてください。
| 自分の状況 | 考えやすい入試 | 理由 |
|---|---|---|
| 評定が推薦の基準を満たし、校内の推薦をもらえそう | 推薦入試 | 推薦書と調査書を活かせる |
| 指定校の枠に行きたい大学がある | 指定校推薦 | 校内選考に通れば出願できる |
| 部活・探究・資格など話せる経験がある | AO入試 | 書類と面接で経験を伝えられる |
| 評定が推薦の基準に届かない | 評定条件のないAO入試 | 推薦は出願条件で外れることがある |
| 学びたいことがはっきりしている | AO入試 | 志望理由で熱意を伝えやすい |
| 年内に1つは合格がほしい | 併願可の方式を組み合わせる | AOと推薦の時間差を使える |
- 志望校の推薦入試の評定基準を満たしているか確かめる
- 高校の校内選考の時期と、推薦をもらえる見込みを先生に聞く
- AO入試の書類を夏休みまでに仕上げる時間があるか考える
- 受けたい方式が専願か併願可かを募集要項で見る
- 一般入試の勉強をどこまで続けるか決めておく
- 夏休みまでに志望理由書と活動の記録を仕上げる
- 経験と大学で学びたいことのつながりを言葉にする
- 時間をかけた面接で深く聞かれる準備をする
- 評定を推薦の基準より上に保っておく
- 校内の推薦の手続きを早めに進める
- 小論文や学力の確認の対策をする
どちらを選んでも、志望理由書と面接は合否に大きく関わります。
一人で準備するのが不安な時は、学校の先生に加えて、対策塾の無料相談で書類を見てもらう方法もあります。塾の比べ方はAO入試の塾・予備校の選び方で紹介しています。
AO入試ガイド
志望理由書・面接・小論文の準備に不安がある方へ
AO入試(総合型選抜)は、書類と面接の準備で差がつきやすい入試です。一人で進めるのが不安な時は、総合型選抜の対策を専門にしている塾の無料相談で、今の準備の状況と志望校に合う進め方を聞いてみましょう。
無料ホワイトアカデミー高等部の無料相談を見るオンラインと対面から相談の形を選べます。指導の内容や料金は公式サイトで確かめてください。
AO入試と推薦入試でよくある相談
相談を見ていくと、大学のルールと高校のルールの両方が関わっているのに、片方しか見ていないケースが目立ちます。
知恵袋などでよく見かける相談から、3つを選んで答えていきますね。
AO入試に落ちたら、指定校推薦を受けられる?
「AO入試に不合格だった場合、そのあと指定校推薦を受けることはできるのか」という相談がありました。
結論から言うと、校内選考の時期が残っていれば可能性はあります。ただ、指定校推薦は高校の中で選考するので、その日程は高校ごとに違います。
『AOの結果を待っていたら、校内選考が終わっていた』ということも。AOの合格発表日と校内選考の締切を、先に先生と照らし合わせておきましょう。
AO入試と公募推薦の違いって何?
「AO入試は成績や学校生活の指導を受けていても関係ないと思っていたけれど、公募推薦と何が違うのか」という相談です。
いちばんの違いは、高校の校長の推薦が要るかどうかです。公募推薦は推薦書が要るので、高校が推薦できるかを判断します。
一方で、AO入試でも調査書は出します。高校生活の記録をまったく見ないわけではない点は、覚えておきたいところです。
AOや自己推薦で合格したあと、入学を辞退できる?
「2つの大学のAO入試を受けてどちらも受かったら、片方を辞退できるのか」という相談は、とても多く読まれています。
これは、受けた方式が専願か併願可かで変わります。専願の方式は、合格したら入学することが出願の条件です。
実施要項でも、専願や学校推薦型選抜に合格して在学契約を結んだ人は、3月31日までの辞退で授業料などが返される原則の対象から外れています。専願の意味はAO入試の専願とは?でくわしく解説しています。
AOや推薦で受かったのに、共通テストを受けるよう言われた
「推薦やAOで合格が決まっても共通テストを受けるように言われるのはなぜか」という相談もありました。
理由の一つは、共通テストを合否に使う方式があることです。例えば九州大学の学校推薦型選抜(2027年度)は、すべて共通テストを課す方式で、合格発表は2月です。
もう一つは、合格後の学習です。実施要項では、12月より前に入学手続をした人には、入学までの課題を出すなどの準備を大学が積極的に行うよう求めています。
合格したら勉強は終わり、とはならないことも。合格後に何をするかは、大学と高校からの案内を確かめてみてください。
よくある質問
AO入試は推薦入試の一種ですか?
違います。大学のAO入試は今の総合型選抜、推薦入試は今の学校推薦型選抜で、別の区分です。「AO推薦」という言い方は、2つをまとめて呼ぶ時に使われる言葉です。
AO入試と推薦入試のいちばんの違いは何ですか?
高校の校長の推薦が要るかどうかです。2027年度入試では、出願の開始も総合型選抜が9月1日以降、学校推薦型選抜が11月1日以降と違います。
推薦入試とAO入試は両方受けられますか?
受ける大学や方式が併願を認めていれば受けられます。専願の方式に合格すると入学の約束が生まれるので、出願の順番に気をつけましょう。高校の校内ルールも先生に確かめておくと安心です。
AO入試でも評定は見られますか?
見られます。AO入試でも調査書を出し、評定の条件がある方式も多いです。一方で、慶應SFCのAO入試(2026夏秋AO)のように評定の出願条件を設けていない方式もあります。
まとめ
- AO入試は今の総合型選抜、推薦入試は今の学校推薦型選抜で、別の入試
- 違いは高校長の推薦・評定の条件・出願時期・見られるもの・併願の5つ
- 2027年度入試では、AOは9月1日以降、推薦は11月1日以降に出願できる
- 結果が出る時期のずれを使えば、AOから推薦へ順番に受けられる
- 専願の条件と高校の校内ルールは、出願前に募集要項と先生に確かめる





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