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国立大学にもAO入試があるらしいけれど、共通テストは要るのか、私立と何が違うのかよく分からない、という方も多いですよね。
結論から言うと、国立大学のAO入試(今の総合型選抜)は、今やほとんどの国立大学で行われています。そして、共通テストを課す型と課さない型の2つに分かれます。
この記事を読むと、国立のAO入試の実施状況と2つの型の見分け方、出願前に確かめたいことが分かります。
国立大学のAO入試とは?今は「総合型選抜」という名前
国立大学のAO入試は、2021年度入試から「総合型選抜」という名前で行われています。書類と面接などで、学ぶ意欲や大学との相性をじっくり見る入試です。
『国立大学にAO入試なんてあるの?一般入試しかないと思ってた』という方もいるかもしれません。
実は、国立大学でもAO入試は広く行われています。ただ、今の正式な名前は「総合型選抜」です。文部科学省が2021年度入試(令和3年度入学者選抜)から、大学入試の名前を変えたためです。
| 以前の名前 | 今の名前 | 出願できる時期(2027年度入試) |
|---|---|---|
| AO入試 | 総合型選抜 | 2026年9月1日以降 |
| 推薦入試 | 学校推薦型選抜 | 2026年11月1日以降 |
| 一般入試 | 一般選抜 | 共通テストの出願は2026年9月15日〜10月2日 |
AO入試とは国立大学でも私立大学でも、文部科学省の実施要項に沿って行われる入試です。令和9年度(2027年度入試)の実施要項では、総合型選抜を「詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等」で評価する入試としています。
また、2027年度入試からは総合型選抜で面接による評価を行うことになりました。国立のAO入試を受けるなら、面接の準備は欠かせません。
AO入試の仕組みそのものは、AO入試とは?総合型選抜との関係と仕組みで詳しく紹介しています。
国立大のAO入試で見られること
国立大AO入試で見られるのは、大まかに言うと「その学部で学ぶ準備と意欲があるか」です。
例えば、評定は4前後で、理科の課題研究を校内で発表してきた高3の夏。研究で感じた疑問と「この学部で何を学びたいか」をつなげて話せる人は、力を出しやすい入試です。
一方で、書類と面接だけでなく、筆記試験や共通テストで学力を確かめる区分も多いのが国立の特徴です。ここは後の章で詳しく見ていきますね。
国立大学で総合型選抜はどれくらい行われている?
文部科学省の公表値では、令和8年度(2026年度)入試で総合型選抜を行った国立大学は75大学、全体の92.6%でした。
『国立のAO入試って、一部の大学だけの特別な入試でしょ?』と思うのは自然です。ただ、数字で見ると印象が変わるんです。
文部科学省「令和8年度国公立大学入学者選抜の概要」に載っている、総合型選抜の実施状況を並べました。
| 区分 | 令和8年度(2026年度)入試 | 令和7年度(2025年度)入試 |
|---|---|---|
| 国立(大学数) | 75大学〔92.6%〕 | 69大学〔85.2%〕 |
| 国立(学部数) | 387学部〔93.3%〕 | 343学部〔82.9%〕 |
| 公立(大学数) | 86大学〔87.8%〕 | 表には載せていません |
| 国公立全体(大学数) | 161大学〔89.9%〕 | 表には載せていません |
比べると、国立で総合型選抜を行う大学・学部はこの1年で増えています。
ただし、ここは注意が必要です。令和8年度の調査から、選抜の分け方が国立大学協会・公立大学協会の定義にそろえられました。そのため「総合型選抜に分類される選抜が増加している」という注記がついています。
増えた分が、すべて新しく始まった入試というわけではありません。以前は別の区分で数えていた選抜が、総合型選抜に入った分も含まれています。元の資料は文部科学省の国公立大学入学者選抜の概要で読めます。
入学者のうちAO入試で入る人の割合
実施している大学は多くても、AO入試で入学する人の割合はまだ小さめです。
文部科学省の「令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」による、入学者に占める割合は次のとおりです。
| 設置者 | 総合型選抜 | 学校推薦型選抜 |
|---|---|---|
| 国立大学 | 7.7% | 12.7% |
| 公立大学 | 6.0% | 26.9% |
| 私立大学 | 22.8% | 38.8% |
| 大学全体 | 19.5% | 34.1% |
国立大学では、総合型選抜で入学する人は1割に届いていません。多くの大学で実施されている一方、1つの区分の募集人員は少なめ、ということなんです。
国立大学がAO入試を広げている理由
国立大学協会は、2015年の「国立大学の将来ビジョンに関するアクションプラン」の工程表で、推薦・AO・国際バカロレア入試などの拡大を掲げました。そこには「入学定員の30%を目標」と書かれています。
さらに2022年1月の基本方針では、小論文・面接・プレゼンテーションなどを使う丁寧な選抜を「加速・拡大する」としています。理由として挙げているのは次の2つです。
- コロナ禍の2021年度入試で、選抜時期の柔軟化やオンライン面接など非常時に強いことが示された
- 18歳人口が減る中で、大学と学生のマッチングの視点が大切になる
2027年度入試の国立大学協会の実施要領では、総合型と学校推薦型の募集人員の合計に上限があります。募集単位ごとの入学定員の5割を超えない範囲です。
国立のAO入試は「共通テストを課す型」と「課さない型」に分かれる
国立のAO入試は、共通テストを課さず年内に結果が出る型と、共通テストの成績も合わせて2月に結果が出る型に分かれます。同じ大学の中に両方あることも多いです。
国立AO入試を考える時に、まず押さえておきたいのがこの2タイプです。
『AOなのに共通テストもあるの?』と驚く方も多いですよね。国立では、書類や面接に加えて共通テストの点数も使う区分が少なくないんです。

| 比べること | 共通テストを課さない型 | 共通テストを課す型 |
|---|---|---|
| 主な選考 | 書類・小論文や筆記・面接・プレゼンなど | 書類・面接などに共通テストの成績を合わせる |
| 結果が出る時期 | 年内(11〜12月)が多い | 共通テストのあとの2月が多い |
| 一般選抜の勉強 | 結果が出るまでは並行しておく | 共通テストの対策がそのまま必要 |
| 向いている人 | 書類・面接・小論文で力を出せる人 | 共通テストで一定の点を取れる見込みがある人 |
共通テストを課さない型の例
東北大学のAO入試Ⅱ期(2027年度入試)は、共通テストを課さない区分です。
文学部・教育学部・法学部・理学部・医学部・歯学部・薬学部・工学部・農学部が対象です。出願は2026年10月13日〜10月16日正午、合格者発表は12月4日となっています。
文学部の例では、全員が筆記試験(英文読解や日本語の長文の要旨・意見)を受けて第1次選考に進みます。合格者は第2次選考で面接を受け、配点は筆記400点・面接300点です。
国立のAOは「書類と面接だけ」とは限らない、ということがよく分かる例ですよね!
九州大学の総合型選抜Ⅰ(共創学部・教育学部)も、共通テストを課さない区分です。2027年度入試では第1次選抜が2026年10月12日、第2次選抜が11月28日、合格者発表が12月21日です。
共創学部では、キャンパスで2つの講義を受けて小論文を書く「講義に関する小論文」と、グループでの討論、面接で選考します。
共通テストを課す型の例
九州大学の総合型選抜Ⅱは、共通テストを課す区分です。医学部保健学科・歯学部・工学部・農学部などで、テキストで確認できた区分は2027年度共通テストの受験が出願資格になっています。
2027年度入試の日程は、第2次選抜が2027年1月30日、合格者発表が2月10日です。共通テストの本試験(2027年1月16日・17日)を受けたあとに最終の判定が出る流れです。
東北大学のAO入試Ⅲ期も全学部で共通テストを課す区分です。2027年度の募集要項は11月下旬公表予定とされています。2026年度入試の例では、出願が2026年1月20日〜1月23日、合格発表が2月11日でした。
- 年内に結果が分かり、早めに次の動きを決めやすい
- 小論文や筆記、面接の対策に時間を使える
- 不合格の時に備えて一般選抜の勉強も続ける
- 共通テストの対策を最後まで続ける必要がある
- 結果が出るのは2月で、一般選抜と時期が重なる
- 書類や面接の準備と学力の準備を両立させる
共通テストを課すかどうかは、同じ大学でも区分や学部で違います。九州大学の区分ごとの詳しい中身は、九州大学のAO入試(総合型選抜)|区分ごとの選考と共通テストでまとめています。
国立と私立のAO入試はどこが違う?
国立と私立のどちらが受かりやすいかは、大学ごとに違うので一概には言えません。それより、出願の条件や日程の違いを知っておくほうが、受け方を決めやすくなります。
『国立も私立も、AO入試なら同じような準備でいいよね?』と考える方もいますよね。大枠は同じですが、国立ならではの特徴もあるんです。
例えば家族とこんな会話になったことはありませんか。
「国立のAOって、受かったら私立はもう受けないの?」「区分によるみたい。募集要項を一緒に見てみよう」
| 比べること | 国立大学で見られる例 | 私立大学で見られる例 |
|---|---|---|
| 入学者に占める割合(令和7年度) | 総合型選抜は7.7% | 総合型選抜は22.8% |
| 第一志望・入学の確約 | 出願資格にしている区分が目立つ | 他大学と併願できる方式も多い |
| 学力の確かめ方 | 筆記試験や共通テストを使う区分がある | 書類・面接型から基礎学力型まで幅広い |
| 結果が出る時期 | 年内の区分と2月の区分がある | 11月の発表が多く、後期は12月以降も |
| 既卒の出願 | 現役のみの区分もある | 既卒も出せる方式が多い |
例えば東北大学のAO入試は、Ⅱ期・Ⅲ期とも東北大学を第一志望とする人が対象です。文学部のⅡ期は、合格したら入学すると確約できることも出願の条件になっています。
九州大学の総合型選抜Ⅰ(共創学部)も、九州大学への入学を第1志望とする人が対象です。
国立の第一志望・入学確約の区分に合格したあとで、ほかの大学に行きたくなってしまうこと。確約の区分は、合格したら入学する前提で出願するものです。出願する前に、本当に第一志望かを家族とも話しておきましょう。
一方の私立大学は、方式の種類がとても多いのが特徴です。私立の方式の選び方は私立大学のAO入試|総合型選抜の方式の種類と選び方で紹介しています。
医学部を目指している方は、国立・私立とも共通テストを使う区分があるので、医学部のAO入試の特徴も読んでみてください。
出願前に募集要項で確かめたい4つのこと
国立のAO入試は、区分ごとに条件がかなり違います。気になる大学を見つけたら、まずこの4つを募集要項で確かめておきましょう。
『募集要項って分厚くて、どこから読めばいいか分からない…』という声はよく聞きます。
そんな時は、最初から全部を読まなくて大丈夫です。次の4つだけ先に確かめて、自分が出せる区分かどうかを見分けてみてください。

- 共通テストを課す区分か、課さない区分かを見る
- 出願資格で、卒業年(現役のみか既卒も可か)と評定などの条件を見る
- 第一志望・入学の確約が条件かどうかと、他の入試との併願の決まりを見る
- 出願期間・選考日・合格発表日・入学手続の締切をカレンダーに書き込む
1. 共通テストを課すかどうか
いちばん先に見たいのが、共通テストの有無です。課す区分なら、指定された教科・科目を受けていることが出願資格になっている場合があります。
科目が足りないと出願できないこともあるので、共通テストの出願(2026年9月15日〜10月2日)より前に確かめておくと安心です。
2. 出願資格の卒業年と評定
国立のAO入試は、卒業年の決まりが区分ごとに違います。
例えば東北大学のAO入試Ⅱ期(文学部・2027年度入試)は2027年3月卒業見込みの人だけです。九州大学の総合型選抜Ⅰ(共創学部)は、2021年4月以降に卒業した人も出願できます。
評定についても、東北大学文学部のⅡ期は「調査書の学習成績概評がA段階に属する者」が出願の条件です。
3. 第一志望・確約と併願の決まり
九州大学の共創学部(総合型選抜Ⅰ)は、九州大学の他学部の総合型選抜・学校推薦型選抜とは併願できません。一方で、国立大学の一般選抜には出願できると書かれています。
併願の決まりは大学ごとに細かく違います。複数の受け方を考えている方は、AO入試は併願できる?複数受験の可否と併願可能な大学の探し方も参考にしてみてください。
4. 日程と入学手続の締切
調査書が必要な区分なら、日程を書き出したついでに先生へのお願いも早めにしておきましょう。こんな一言で十分です。
「〇〇大学の総合型選抜に出願したいので、調査書の発行をお願いできますか」
最後に、出願期間と合格発表、入学手続の締切を書き出しておきます。
国立のAO入試は、年内に結果が出る区分と2月に結果が出る区分があります。一般選抜の出願時期と重ならないか、ここで見ておくのが大事なところです。
- 志望理由書を自分の言葉で書き、下書きを何度か直す
- 生成AIの扱いについて、募集要項の注意書きを読む
- 活動の記録や探究の資料を早めに集めておく
- 調査書の発行に時間がかかる場合を考えて先生に早めに頼む
九州大学の募集要項では、志望理由書などは本人の自筆が原則です。生成系AIツールを含め、本人以外が作ったと認められた場合は不正行為とみなすと明記されています。
志望理由書や面接の準備を一人で進めるのが不安な方は、学校の先生に加えて、総合型選抜の対策塾の無料相談で見てもらう方法もあります。塾の比べ方はAO入試の塾・予備校の選び方で紹介しています。
AO入試ガイド
志望理由書・面接・小論文の準備に不安がある方へ
AO入試(総合型選抜)は、書類と面接の準備で差がつきやすい入試です。一人で進めるのが不安な時は、総合型選抜の対策を専門にしている塾の無料相談で、今の準備の状況と志望校に合う進め方を聞いてみましょう。
無料ホワイトアカデミー高等部の無料相談を見るオンラインと対面から相談の形を選べます。指導の内容や料金は公式サイトで確かめてください。
国立大学のAO入試でよくある相談
国立のAO入試の相談を見ると、併願の決まりと共通テストの扱いで迷っている人がとても多いです。
知恵袋などでよく見かける相談から、3つを選んで答えていきます。
国立大学のAO入試を2つ受けることはできる?
高1の人から、「2年後に国立大学のAO入試を2つ受けることはできるのか」という相談がありました。
結論から言うと、受けたい区分の募集要項しだいです。国立のAO入試には、第一志望であることや合格したら入学することを出願の条件にしている区分があります。
そうした区分を2つ同時に出すと、条件を守れなくなってしまいます。日程がずれていて、条件に合う組み合わせなら出せる場合もあるので、2校分の募集要項を並べて確かめてみてください。
共通テストを課すなら、結局は学力で決まるの?
「国立大学のAO入試で共通テストを課すと書いてあるけど、それではAOといっても結局は学力の入試では?」という相談もよくあります。
共通テストを課す区分は、書類や面接の評価と共通テストの成績を合わせて判定します。例えば九州大学の総合型選抜Ⅱ(医学部保健学科)は、第2次選抜で小論文・面接と共通テストの成績で判定します。
学力だけ、書類だけ、のどちらかではなく、両方を見る入試と考えるとイメージしやすいはずです。
同じ国立大学でAOと推薦を両方受けられる?
「国立A大学のAO入試が9月にあり、同じ大学の公募推薦も受けたい。両方出せるのか」という相談です。
これも大学の決まりしだいです。九州大学の共創学部では、同じ年度の共創学部の総合型選抜と学校推薦型選抜は併願できないと書かれています。
また、国立大学協会の実施要領では、学校推薦型選抜の推薦は1人1つの大学・学部に限るとされています。推薦の受け方は、高校の先生とも相談しておきましょう。
AO入試と推薦の違いは、AO入試と推薦入試の違いで詳しく紹介しています。
よくある質問
国立大学にもAO入試はありますか?
あります。今は総合型選抜という名前で行われています。文部科学省の公表値では、令和8年度(2026年度)入試で総合型選抜を行った国立大学は75大学、全体の92.6%でした。
国立大学のAO入試には共通テストが必要ですか?
区分によります。東北大学のAO入試Ⅱ期や九州大学の総合型選抜Ⅰのように課さない区分と、九州大学の総合型選抜Ⅱのように課す区分があります。募集要項で最初に確かめましょう。
国立のAO入試の結果はいつ分かりますか?
共通テストを課さない区分は年内に分かることが多く、課す区分は2月が多いです。2027年度入試では、九州大学の総合型選抜Ⅰは12月21日、総合型選抜Ⅱは2月10日が合格者発表です。
浪人生でも国立大学のAO入試を受けられますか?
区分によります。九州大学の総合型選抜Ⅰ(共創学部・教育学部)のように既卒も出せる区分もあれば、東北大学のAO入試Ⅱ期のように現役だけの区分もあります。詳しくは浪人生向けの記事を見てみてください。
AO入試がある国立大学はどうやって探せばいいですか?
志望する大学の入試情報ページで「総合型選抜」の区分を探すのが近道です。探し方の手順は、AO入試がある大学の探し方の記事でも紹介しています。
まとめ
- 国立大学のAO入試は、今は総合型選抜という名前で行われている
- 令和8年度入試では国立75大学(92.6%)が総合型選抜を実施(文部科学省の公表値)
- 共通テストを課さない型は年内、課す型は2月に結果が出ることが多い
- 第一志望・入学確約や、現役のみの区分があるのが国立の特徴の一つ
- 出願前に「共通テスト」「出願資格」「併願」「日程」の4つを確かめる
最新の日程や条件は、各大学の募集要項で確かめましょう。AO入試がある大学の探し方はAO入試がある大学の探し方で、浪人中の方は浪人生のAO入試も参考にしてみてください。





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