九大のAO入試(総合型選抜)|区分ごとの選考と共通テストの有無

九州大学のAO入試にあたる総合型選抜の区分と、共通テストの有無を解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が文部科学省などの公的機関と、各大学・専門学校の公式サイトや募集要項の公開情報を調べて独自に執筆しています。入試の日程・選考内容・出願条件は年度ごとに変わるため、最新の情報は各大学・専門学校の募集要項で確認してください。

九大のAO入試を調べていると、「総合型選抜Ⅰ」「Ⅱ」「次世代研究者発掘入試」と名前がいくつも出てきて、どれを受ければいいのか迷いますよね。

結論から言うと、九州大学のAO入試(今の総合型選抜)は、共通テストを課さない区分と課す区分に分かれています。どちらに当たるかで、秋から冬の動き方がまるで変わるんです。

この記事を読むと、2027年度入試の区分ごとの選考と日程、出願前に確かめたいことが分かります。

目次

九大のAO入試は今どう呼ばれている?

先に結論

九州大学では、AO入試にあたる入試を「総合型選抜Ⅰ」「次世代研究者発掘入試」「総合型選抜Ⅱ」として行っています。これとは別に、高校の推薦が要る学校推薦型選抜もあります。

『九大ってAO入試をやめたの?』と思った方もいるかもしれません。

実は、大学のAO入試は2021年度入試から正式名称が「総合型選抜」に変わりました。九州大学でも、総合型選抜という名前で区分を分けて募集しているんです。

2027年度入試(2026年秋〜2027年冬に実施)の区分を、まず大きく並べてみます。

区分主な対象共通テスト
総合型選抜Ⅰ共創学部・教育学部課さない
次世代研究者発掘入試Ⅰ工学部の一部学科・農学部課さない
総合型選抜Ⅱ(次世代研究者発掘入試Ⅱを含む)文・法・経済・理・医(保健学科)・歯・工・芸術工・農の各学部確認できた区分は課す
学校推薦型選抜(参考)共創・文・歯・工・芸術工の一部すべて課す

総合型選抜Ⅱのうち、医学部保健学科・歯学部・工学部・農学部の区分は、2027年度の共通テストの受験が出願資格になっています。文・法・経済・理・芸術工の各区分は、募集要項で共通テストの有無を確かめてください。

国立大学の総合型選抜全体の特徴は、国立大学のAO入試の特徴と共通テストの有無で紹介しています。

全区分に共通する書類のルール

志望理由書などは本人の自筆が原則です(学部によって文書作成ソフト可)。生成系AIツールを含め、本人以外が作ったと認められた場合や剽窃は不正行為とみなし、入学許可を取り消すことがあると明記されています。

区分ごとの選考を表で比べる

違いは「共通テスト」「既卒の範囲」「合格発表の時期」

同じ九大のAO入試でも、区分によって選考の中身も合格発表の時期も違います。志望学部がどの区分にあるかを先に見つけましょう。

『自分の学部はどの区分で、何をするの?』という疑問に、2027年度の募集要項から答えていきます。

区分既卒の範囲選考の中身合格発表
総合型選抜Ⅰ 共創学部2021年4月以降の卒業者まで講義に関する小論文、討論、面接2026年12月21日頃
総合型選抜Ⅰ 教育学部2021年4月以降の卒業者まで資料に関する小論文、パネルを作ってのプレゼンテーション、面接2026年12月21日頃
次世代研究者発掘入試Ⅰ2025年4月以降の卒業者まで(既卒1年目まで)研究計画書などの書類、プレゼンテーション、口頭試問2026年11月25日
総合型選抜Ⅱ(例)学部・学科で違う書類の第1次選抜、小論文・面接などの第2次選抜、共通テスト2027年2月10日

国立大学の総合型選抜は、思っている以上に「時間をかけて見る試験」が多いんです。講義を受けて書く、グループで討論する、その場でパネルを作るなど、準備のしかたも独特です。

学校推薦型選抜との違いも押さえておこう

九大には、高校の推薦が要る学校推薦型選抜もあります。2027年度はすべて共通テストを課す入試で、願書受付は2026年11月2日〜11月6日です。

共創学部の学校推薦型選抜は、推薦が1校につき1人で、実質的に現役生だけが対象です。第2次選抜はプレゼンテーションと面接(1人約30分)で、共通テストの成績とあわせて判定します。

『推薦とAO、どっちで出せばいいの?』と迷ったら、校内の推薦がもらえそうか、共通テストを受けるかの2点から考えてみてください。

九州大学の総合型選抜を、共通テストを課さない総合型選抜Ⅰ・次世代研究者発掘入試Ⅰと、共通テストを課す総合型選抜Ⅱに分けて、選考と発表時期を並べた図解

総合型選抜Ⅰ:共創学部と教育学部

共通テストなしで、年内に合否が出る区分

総合型選抜Ⅰは共創学部(募集人員15人)と教育学部(募集人員7人)で行われます。どちらも書類と当日の試験で選考し、合格発表は2026年12月21日頃です。

共創学部は「講義を受けて書く」と「討論」

共創学部の第1次選抜は、調査書・志望理由書・活動歴報告書と「講義に関する小論文」の総合評価です。

講義に関する小論文では、伊都キャンパスで2つの講義(各約50分、文系主・理系主)を受けます。そのあと、それぞれについて小論文(各約100分)を書きます。

英文の提示や英語での記述、数的処理を求めることもあると書かれています。第1次の合格者は募集人員の2倍程度です。

第2次選抜は、討論(約180分)と面接(1人約25分)です。討論は5名程度のグループで論題を話し合い、各自で報告書を作ります。

ここがポイントなんです。討論では結論ではなく、討論の過程が評価されます。一部の質疑は英語で行われます。

英検・TOEFL iBT・IELTS・GTEC・TEAPなどの英語能力試験の成績は、受験実績がある人が添付資料として出せます。出願の条件ではなく、自宅受験型は使えません。

教育学部は「パネルを作ってプレゼン」

教育学部の第1次選抜は、小論文試験と調査書です。小論文は、英文や数値データを含む資料に関する設問です。

第2次選抜では、当日示される課題について約3時間でパネルを作り、約10分のプレゼンテーションをします。そのあと面接(1人10分)があります。

総合型選抜Ⅰの日程と併願

段階2027年度入試の日程
Web入力・検定料の支払い開始2026年9月1日10時
願書受付2026年9月7日〜9月11日17時(必着)
第1次選抜2026年10月12日
第1次選抜結果の発送2026年11月6日頃
第2次選抜2026年11月28日
合格者発表2026年12月21日11時頃
入学手続2027年2月11日〜2月17日

共創学部の総合型選抜Ⅰは、九大の他学部の総合型選抜・学校推薦型選抜・国際入試とは併願できません。同じ年度の共創学部の総合型と学校推薦型も併願不可です。

一方で、国立大学の一般選抜には出願できます。教育学部も、教育学部の一般選抜や国立大学の一般選抜に出願できます。

よくある失敗

共創学部の総合型選抜Ⅰと学校推薦型選抜の両方に出そうとしてしまうこと。同じ年度の両方への出願はできないので、どちらで受けるかを夏までに決めておきましょう。

次世代研究者発掘入試Ⅰ:研究の実績がある人向け

出願の条件に「顕著な活動実績」がある区分

次世代研究者発掘入試Ⅰは、工学部の材料工学科・化学工学科・融合基礎工学科・地球資源システム工学科と、農学部で行われます。募集人員はいずれも若干名です。

『研究発表なんてしたことがない…』という方には、少しハードルが高く感じる区分かもしれません。

工学部の例では、高校時代に次のような活動実績のどれかがあることが出願の条件です。

工学部の出願要件の例(どれか1つ)
  • サイエンスカンファレンス(GSC全国受講生研究発表会)に出場した
  • SSH生徒研究発表会に出場した
  • 国際学生科学技術フェア(ISEF)に参加した、または日本学生科学賞の中央最終審査やJSEC最終審査に進んだ
  • 国際科学オリンピックの日本代表になった
  • 九州大学「未来創成科学者育成プロジェクト(QFC-SP)」を修了した

これらと同等の発表を公的に証明できる人も対象です。加えて、「次世代博士人材育成コース」で学んで博士課程へ進む強い志があり、合格したら入学すると確約できることが求められます。

選考は2段階です。第1次は調査書・活動歴報告書・研究計画書・志望理由書で、第2次はプレゼンテーション(10分程度)と口頭試問(20分程度)です。

段階2027年度入試の日程
願書受付2026年9月1日〜9月4日17時(必着。Web入力は8月25日から)
第1次結果の発送2026年10月9日頃
第2次選抜2026年10月24日
合格者発表2026年11月25日

理系の総合型選抜の全体像は、理系のAO入試の特徴でも紹介しています。

総合型選抜Ⅱ:共通テストを課す区分

書類と面接に加えて、共通テストの成績で判定する

総合型選抜Ⅱは、秋に出願して書類で第1次選抜を行い、共通テストのあとに第2次選抜をする区分です。合格発表は2027年2月10日です。

『共通テストも受けるなら、一般選抜と何が違うの?』と感じる方も多いはずです。

違いは、書類や面接・小論文などで、志望学部への意欲や適性もあわせて見てもらえるところです。2027年度の募集人員の例を並べました。

学部・学科募集人員(2027年度)
医学部保健学科看護学専攻10人・放射線技術科学専攻6人・検査技術科学専攻6人
歯学部8人
工学部 電気情報工学科一般枠10人
工学部 材料工学科一般枠6人・女子枠5人
工学部 応用化学科一般枠4人
工学部 化学工学科一般枠2人
農学部24人

工学部・農学部には、このほかに次世代研究者発掘入試Ⅱが若干名あります。工学部では、一般枠と女子枠を併願することはできません。

選抜の中身の例

医学部保健学科は、第1次(書類)で各専攻の募集人員の3倍程度に絞ります。第2次は小論文・面接(各200点)と共通テストの成績で判定します。

歯学部は、第1次の評価点と共通テストの成績(575点満点)で判定します。工学部(一般枠)は、第2次で面接(試問を含む)と共通テストの成績で判定します。

医療系の総合型選抜の全体像は、医学部のAO入試の特徴もあわせて読んでみてください。

既卒の範囲は学部で違う

医学部保健学科や工学部の多くの学科は、2021年4月以降の卒業者まで出願できます。歯学部は2025年4月以降の卒業者まで、工学部の応用化学科・化学工学科は2026年4月以降の卒業者までです。

総合型選抜Ⅱの日程

段階2027年度入試の日程
出願(Web入力・支払い)2026年10月13日〜10月27日
書類の郵送2026年10月19日〜10月30日17時(必着)
第1次選抜結果の発送2026年12月21日頃
第2次選抜2027年1月30日
合格者発表2027年2月10日11時頃
九州大学の総合型選抜Ⅱで、秋に出願し、共通テストを受けたあと第2次選抜に進み、2月に合格発表を迎える流れを示した図解

共通テストあり・なしで変わる秋冬の動き方

区分によって「勉強のバランス」の取り方が変わる

共通テストを課さない区分は年内に結果が出ます。課す区分は1月の共通テストまで勉強を続ける前提です。どちらを受けるかで、秋の時間の使い方が変わります。

ここが、九大のAO入試でいちばん考えておきたいところです。

例えば、共創学部の総合型選抜Ⅰなら、10月の講義小論文と11月の討論・面接に向けた準備が中心になります。12月の合格発表で不合格なら、そこから一般選抜の勉強に集中する形です。

一方で、農学部の総合型選抜Ⅱなら、10月に出願したあとも共通テストの勉強が続きます。共通テストは2027年1月16日・17日です。

自分の状況考えやすい区分秋冬の動き方
共創学部・教育学部を第1志望にしている総合型選抜Ⅰ夏に書類、秋に小論文・討論やプレゼンの練習
研究発表などの実績があり、博士課程まで考えている次世代研究者発掘入試Ⅰ研究計画書を仕上げ、口頭試問の練習
共通テストで力を出せる総合型選抜Ⅱ秋に書類、冬は共通テストと面接の準備を並行
一般選抜も本気で考えている共通テストを課す区分共通テストの勉強がそのまま活きる

『書類と面接の準備をすると、共通テストの勉強時間が足りなくなりそう』と心配な方もいますよね。

総合型選抜Ⅱは、書類を10月までに仕上げてしまえば、11月からは共通テストの勉強に戻れます。第2次選抜の面接や小論文の練習は、共通テストのあとの2週間ほどで仕上げる形が考えられます。

九大のAO入試でよくある相談

「どの区分で出せるか」を確かめる相談が多い

知恵袋などを見ると、九大のAO入試の相談は「自分の学部ではどの入試が使えるか」と「時期」に集まっています。

よく見かける相談から、3つを選んで答えていきます。

九大の農学部をAO入試で受けたい。何が使える?

「大阪公立大学の農学部か九大の農学部で迷っていて、AO入試を使う予定。何が使えるか」という相談がありました。

2027年度入試で九大農学部が対象になっている総合型選抜は、次世代研究者発掘入試Ⅰ(若干名)と総合型選抜Ⅱ(24人)です。

次世代研究者発掘入試Ⅰは研究の実績などが条件になるので、多くの人にとっては総合型選抜Ⅱが中心になります。こちらは共通テストの受験が出願資格です。

九大芸工をAO入試で受けたい。何から確かめる?

「九大芸工のデザイン系のコースを志望していて、AO入試を考えている」という相談です。

芸術工学部は、総合型選抜Ⅱの志望理由書の様式一覧に載っています。ただ、テキストで確認できる範囲では共通テストの有無が分からないので、募集要項で確かめてください。

芸術工学部には学校推薦型選抜もあります。2027年度はインダストリアルデザインコース8人・未来構想デザインコース5人で、共通テストを課す入試です。

未来構想デザインコースの推薦には、「調査書の全体の学習成績の状況がおよそ4.0以上」という条件があります。

AOで受ける大学の試験が9月・10月・11月と続く。大丈夫?

「AO入試で受ける大学の試験が9月、10月、11月と続くが、準備は間に合うか」という相談もあります。

九大の総合型選抜Ⅰは、9月に出願、10月に第1次選抜、11月に第2次選抜という流れです。私立大学の総合型選抜と重なると、書類と試験の準備が一気に押し寄せることも。

まずは受ける入試の「出願締切」「試験日」「合格発表日」をカレンダーに書き込んでみてください。重なる時期が見えると、どの準備を先に終わらせるかが決めやすくなります。

出願前に確かめたいことと準備の進め方

区分を決めたら、条件と日程を要項で確かめる

九大の総合型選抜は、区分ごとに既卒の範囲や併願のルールが違います。出願の前に、次の項目を一つずつ確かめておきましょう。

九大のAO入試の出願前チェック
  • 志望学部がどの区分(総合型Ⅰ・次世代Ⅰ・総合型Ⅱ)にあるか
  • 共通テストを課すか、課す場合はどの教科・科目か
  • 自分の卒業年が出願資格の範囲に入っているか
  • 他学部の総合型や学校推薦型と併願できるか
  • 志望理由書を自筆で書く必要があるか
準備の進め方
  1. 春に九州大学の募集要項一覧で志望学部の区分を確かめる
  2. 夏休みに志望理由書・活動歴報告書の下書きを作り、学校の先生に読んでもらう
  3. 9月から10月に出願書類を仕上げて出す
  4. 共創学部なら講義小論文と討論、教育学部ならプレゼンの練習をする
  5. 総合型選抜Ⅱなら、共通テストの勉強と面接・小論文の準備を並行する

募集要項は、九州大学の学部入試の募集要項一覧から確かめられます。

先生に相談する時は、こんな聞き方で十分です。

「九大の総合型選抜を考えています。志望理由書の下書きを見ていただけますか。活動歴報告書に何を書けばいいかも相談したいです」

2027年度入試からは、総合型選抜で面接による評価を行うことになりました。討論やプレゼン、口頭試問のように人前で話す試験も多いので、練習の相手がいると心強いですよね。

学校の先生に加えて、総合型選抜の対策塾の無料相談で書類や面接を見てもらう方法もあります。

AO入試ガイド

志望理由書・面接・小論文の準備に不安がある方へ

AO入試(総合型選抜)は、書類と面接の準備で差がつきやすい入試です。一人で進めるのが不安な時は、総合型選抜の対策を専門にしている塾の無料相談で、今の準備の状況と志望校に合う進め方を聞いてみましょう。

無料ホワイトアカデミー高等部の無料相談を見る

オンラインと対面から相談の形を選べます。指導の内容や料金は公式サイトで確かめてください。

九州の私立大学の総合型選抜も考えている方は、日本経済大学のAO入試も参考にしてみてください。

よくある質問

九大にAO入試はありますか?

「AO入試」という名前ではありませんが、総合型選抜Ⅰ・次世代研究者発掘入試・総合型選抜Ⅱがあります。2021年度入試からAO入試の正式名称が総合型選抜になったためです。

九大の総合型選抜に共通テストは必要ですか?

区分によります。総合型選抜Ⅰ(共創学部・教育学部)と次世代研究者発掘入試Ⅰは共通テストを課しません。総合型選抜Ⅱのうち医学部保健学科・歯学部・工学部・農学部の区分は、共通テストの受験が出願資格です。

浪人生でも九大のAO入試に出願できますか?

区分によって既卒の範囲が違います。総合型選抜Ⅰは2021年4月以降の卒業者まで、次世代研究者発掘入試Ⅰや歯学部の総合型選抜Ⅱは2025年4月以降の卒業者までです(2027年度入試)。

九大の総合型選抜で不合格なら、一般選抜は受けられますか?

共創学部・教育学部の総合型選抜Ⅰの要項では、国立大学の一般選抜には出願できると書かれています。他の区分も、要項の併願の欄で確かめましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 九大のAO入試は、総合型選抜Ⅰ・次世代研究者発掘入試Ⅰ・総合型選抜Ⅱに分かれる
  • 総合型選抜Ⅰと次世代Ⅰは共通テストなしで、年内に合格発表がある
  • 総合型選抜Ⅱは共通テストを課す区分が中心で、合格発表は2027年2月10日
  • 既卒の範囲や併願のルールは区分・学部ごとに違う
  • 最新の条件と日程は、九州大学の募集要項で確かめる
AO入試ガイド

AO入試ガイド 編集部

大学のAO入試(総合型選抜)と専門学校のAO入試について、仕組み・日程・選考内容・併願の考え方・対策の進め方を、受験生と保護者の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次