AO入試と一般入試の違い|両立のスケジュールと勉強の配分

AO入試(総合型選抜)と一般入試(一般選抜)の違いと、両立のスケジュールを解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が文部科学省などの公的機関と、各大学・専門学校の公式サイトや募集要項の公開情報を調べて独自に執筆しています。入試の日程・選考内容・出願条件は年度ごとに変わるため、最新の情報は各大学・専門学校の募集要項で確認してください。

AO入試を受けたいけれど、一般入試の勉強も止めたくない。そんなふうに迷っている方も多いですよね。

結論から言うと、AO入試と一般入試は、試験の時期も見られるものも違うので、両方を受けることはできます。大事なのは、夏から秋にかけての時間の配分です。

この記事を読むと、2つの違いと、高3の6月から2月までの勉強の配分の目安が分かります。

目次

AO入試と一般入試の違いは?4つの観点で比べる

先に結論

AO入試(総合型選抜)は秋に書類と面接で選ぶ入試、一般入試(一般選抜)は冬に学力の試験で選ぶ入試です。合格後に入学の約束があるかどうかも違います。

『AOと一般って、試験の形が違うだけ?』と思っている方もいるかもしれません。

実は、2つの違いは試験の形だけではありません。大学のAO入試は2021年度入試から「総合型選抜」、一般入試は「一般選抜」という名前になりました。

文部科学省の「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(2027年度入試)をもとに、4つの観点で並べました。

観点AO入試(総合型選抜)一般入試(一般選抜)
時期出願は2026年9月1日以降、結果は11月1日以降共通テストは2027年1月16日・17日、個別試験は2月1日〜3月25日
評価するもの詳しい書類審査と丁寧な面接など学力検査や小論文などが中心
合格後の縛り専願の方式は、合格したら入学が条件基本的に入学の約束はない
準備の中身志望理由書・活動の記録・面接・小論文教科の勉強と過去問

日付は実施要項と大学入試センターの発表にもとづく2027年度入試の日程です。各大学の試験日は募集要項で確かめましょう。

AO入試は秋に書類と面接、一般入試は冬に学力試験で選ぶことを、時期・評価・合格後の縛り・準備の4つで比べた図解

時期:AOは秋、一般は冬

AO入試は9月から出願が始まり、11月以降に結果が出ます。一般入試は1月の共通テストから始まり、2月から3月に大学ごとの試験があります。

AO入試の結果が出るまで、一般入試まではまだ2か月以上あります。この時間差が、両立できる理由なんです。

評価するもの:書類と面接か、学力の試験か

実施要項では、一般選抜は学力検査や小論文などを主な資料とし、調査書や面接などを組み合わせて評価する入試とされています。

総合型選抜は、詳しい書類審査と時間をかけた丁寧な面接などで、能力・適性や学習意欲、目的意識を総合的に見る入試です。2027年度入試からは、面接による評価を行うことになりました。

合格後の縛り:専願のAOは合格したら入学

ここが大事なところです。AO入試には、合格したら入学することを条件にした専願の方式があります。

専願のAOに合格すると、そのあと一般入試で他の大学を受けても、入学先を選び直せないことになります。専願の意味はAO入試の専願とは?でくわしく解説しています。

準備の中身:重なるところもある

AOの準備は、志望理由書や面接が中心です。ただ、AOにも学力の確認がある方式があります。

例えば、東洋大学の基礎学力テスト型入試(2027年度)や、創価大学の基礎学力方式(2027年度)は、総合型選抜の中で筆記の試験を課しています。一般入試の勉強が、そのままAOの力になる場面もあるんですね。

入試の数で見ると、一般入試がいちばん多い

文部科学省の委託調査(令和7年度入試)では、大学全体の選抜区分の数は、一般選抜45.0%、総合型選抜27.9%、学校推薦型選抜27.1%でした。

一方で入学者の割合(令和7年度)は、総合型選抜が19.5%、学校推薦型選抜が34.1%です。私立大学に限ると、総合型選抜は22.8%でした。

AOで入る人は少なくありませんが、入試の数そのものは一般入試がいちばん多いんです。AOがだめでも、一般入試で挑戦できる大学はたくさんあります。

AOを受けながら一般入試の勉強を止めない、高3の月別の配分

「AOの山」は8月〜10月、そこ以外は一般の勉強を軸に

AOの準備がいちばん忙しくなるのは、出願と試験が重なる8月から10月です。その時期だけ配分を変え、ほかの月は一般入試の勉強を軸にすると、両立しやすくなります。

『AOの準備をしていたら、勉強の時間がなくなりそう』と不安になりますよね。

次の表は、9月に出願して10月に試験、11月に結果が出るAOを受ける場合の目安です。大学によって日程が違うので、自分の志望校の日程に置き換えて使ってみてください。

時期(高3)AOの準備一般入試の勉強
6月〜7月志望理由の材料集め・オープンキャンパス基礎の総復習を続ける(軸)
8月志望理由書を書いて直す苦手科目の基礎を毎日少しずつ
9月出願・面接の練習共通テストの出願(9月15日〜10月2日)・毎日の演習
10月面接・小論文などの試験試験の前後も1日の演習量は保つ
11月結果の発表(11月1日以降)不合格でも合格でも、ここから一般の勉強を軸に戻す
12月(後期のAOを受ける場合は準備)共通テストの演習・過去問
1月なし共通テスト本試験(1月16日・17日)
2月〜3月なし大学ごとの個別試験(2月1日〜3月25日)

8月から10月は、AOの準備に時間を多めに割く時期です。ただ、一般入試の勉強をゼロにすると、11月からの立て直しが大変になります。

高3の6月から2月まで、AOの準備と一般入試の勉強の重みがどう変わるかを示した月別の流れの図解
両立の計画の立て方
  1. 受けたいAOの出願期間・試験日・合格発表日を書き出す
  2. 共通テストの出願期間と、一般入試の志望校の試験日を書き出す
  3. AOの準備がいちばん忙しい月を決め、その月の勉強時間を少なめに見積もる
  4. 忙しい月でも毎日続ける教科を1つか2つ決めておく
  5. AOの結果が出た日の翌日から、一般の勉強に戻す日程を先に決めておく

家族に計画を話しておくと、忙しい時期にも協力してもらいやすくなります。

「10月まではAOの書類と面接の練習が多くなるけど、数学だけは毎日続けるつもり」

「分かった。11月に結果が出たら、そこからの計画も一緒に見せてね」

1日の中で分けるなら

例えば、平日は学校のあとに教科の勉強をし、寝る前に志望理由書を少しだけ直す、という分け方があります。

週末に面接の練習や小論文をまとめて行い、平日は教科を中心にするのも一つのやり方です。どちらが合うかは、自分の集中できる時間帯で決めてみてください。

よくある失敗

「AOに受かればいいから」と、夏から秋に一般の勉強を完全に止めてしまうこと。AOの結果は11月以降に出るので、不合格だった時に共通テストまで2か月半ほどしか残りません。

AO入試と一般入試は併願できる?合格後の縛りを確かめる

併願できるかは、方式ごとの募集要項で決まる

AOと一般を両方受けられるかどうかは、AOの方式が専願か併願可かで変わります。

『AOに出したら、一般で他の大学は受けられないの?』という心配もよく聞きますよね。

2027年度入試の公式情報から、AOと一般入試の関係が書かれている例を並べました。

大学・方式(2027年度入試)一般入試との関係
慶應SFC AO入試(2026夏秋AO)AO入試とは別に一般選抜にも出願できる
九州大学 総合型選抜Ⅰ(共創学部)国立大学の一般選抜には出願できる
東洋大学 基礎学力テスト型入試他大学や東洋大学の一般選抜と併願できる
日本経済大学 総合型選抜1期〜3期受験者は一般選抜の学力特待生入試を検定料免除で受けられる
玉川大学 総合型入学審査(Ⅰ期・Ⅱ期)合格後も給付型奨学金入学試験などを受けられる(入学手続をした学科に限る)

ただし、出願できることと、合格後に入学先を選べることは別です。慶應SFCのAO入試は、合格したら入学することを確約できる人が対象です。

AOに合格したあとで一般入試を受ける場合、それが「合格後の進路を変えるための受験」なのか、「奨学金などのための受験」なのかで意味が変わります。

帝京大学の総合型選抜は入学の権利を保てる

帝京大学の総合型選抜(2027年度)は、入学手続のあと3月31日まで入学の権利を持っておけて、辞退した場合は入学金を除いた額を返すと案内しています。こうした扱いも大学ごとに違います。

AOの併願の決まりはAO入試は併願できる?でくわしくまとめています。

共通テストを使うAOもある

国立大学のAOは、共通テストの勉強が欠かせないことも

AOの中には、共通テストの成績を合否に使う方式があります。この場合、AOと一般入試の勉強はほぼ重なります。

『AOを受けるなら共通テストは関係ない』と思っていると、あとで慌てることも。

例えば九州大学の総合型選抜Ⅱ(2027年度)は、共通テストのあと、2027年1月30日に第2次選抜があり、2月10日に合格発表です。東北大学のAO入試Ⅲ期も、共通テストを課す方式です。

AOの型一般入試の勉強との関係
共通テストを課さないAO秋に結果が出る。不合格なら一般入試に切り替える
共通テストを課すAO共通テストの勉強がそのままAOの選考に使われる
基礎学力の試験があるAO教科の基礎の勉強がAOにも一般にも役立つ

AOでも2月より前に学力の試験がある

実施要項では、総合型選抜・学校推薦型選抜は、教科・科目の個別テストを2月1日より前に行ってよいとされています。秋のAOで筆記の試験があるのは、このためです。

ただ、2026年度入試では、一部の大学で2月1日より前の個別テストの配点がとても高く、学力の成績に大きく偏って合否を決めていた例がありました。文部科学省は2027年度入試に向けて、実施要項を守るよう大学に通知しています。

AOの筆記試験の中身は、志望校の募集要項と過去問で確かめておきましょう。

国立大学のAOについては国立大学のAO入試で、共通テストの有無を含めて紹介しています。

AOに向いている人・一般に絞ったほうがよい人の判定

「語れる学びたいこと」と「秋に使える時間」で決める

AOが向いているかどうかは、成績の高さだけでは決まりません。学びたいことを言葉にできるか、秋に準備の時間をとれるかで考えてみましょう。

『自分はAOを受けるべき?一般に絞るべき?』と迷っている方は、次の表を見てみてください。

自分の状況考えやすい進め方
学びたいことがはっきりしていて、理由を話せるAOを受けながら一般の勉強も続ける
志望理由につながる経験(部活・探究・資格など)があるAOを受けながら一般の勉強も続ける
第一志望の大学にAOがない一般入試を軸にする
学力の試験のほうが力を出せる一般入試、または基礎学力の試験があるAO
夏から秋に勉強時間がとれない事情がある一般に絞るか、受けるAOを1つに絞る
AOの結果次第で気持ちが大きく揺れそう受けるAOの数を絞り、一般の計画を先に固める

保護者の方が手伝えること

保護者の方は、勉強の中身よりも、日程の管理を手伝うと力になれます。

AOの出願期間や合格発表日、共通テストの出願期間を一緒にカレンダーに書き込んでおくだけでも、出し忘れを防げます。専願か併願可かを一緒に読んで確かめるのも、家族だからこそできることです。

AOを受ける前に確かめたいこと
  • 受けるAOの方式が専願か併願可かを確かめる
  • 合格したら入学してよい大学かを考える
  • AOの忙しい月に、毎日続ける教科を決めておく
  • 共通テストの出願(9月15日〜10月2日)を忘れない
  • AOの結果が出たあとの一般の計画を立てておく
AOも受けるメリット
  • 年内に進路が決まる可能性がある
  • 志望理由を考えることで、大学で学ぶ目的がはっきりする
  • 基礎学力の試験があるAOなら、勉強の成果も活かせる
AOも受けるデメリット
  • 8月から10月は勉強時間が減りやすい
  • 専願のAOに受かると、一般で選び直せない
  • 不合格のあと、気持ちの切り替えに時間がかかることがある

AOの準備を短い時間で進めたい時は、志望理由書や面接を見てもらえる対策塾の無料相談を使う方法もあります。準備をいつ始めるかはAO入試の準備はいつから?も参考にしてみてください。

AO入試ガイド

志望理由書・面接・小論文の準備に不安がある方へ

AO入試(総合型選抜)は、書類と面接の準備で差がつきやすい入試です。一人で進めるのが不安な時は、総合型選抜の対策を専門にしている塾の無料相談で、今の準備の状況と志望校に合う進め方を聞いてみましょう。

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オンラインと対面から相談の形を選べます。指導の内容や料金は公式サイトで確かめてください。

AO入試と一般入試でよくある相談

相談の多くは「両立できるか」と「落ちた後どうするか」

AOと一般の相談を見ると、AOに時間を使いすぎて一般の準備が遅れた、という悩みが目立ちます。

知恵袋などでよく見かける相談から、5つ選んで答えていきますね。

AOだけを受けて、一般入試を受けないのはあり?

「AO入試は一般入試と両立している人がほとんどなのか。AOだけしか受けないのはありか」という相談です。

AOだけで進路を決める人もいます。ただ、AOの結果は11月以降に出るので、不合格だった時のことは考えておきたいところです。

AOだけに絞るなら、後期の日程があるAOや、公募推薦など秋から冬に受けられる入試も一緒に調べておきましょう。

高2の今、AOと一般のどちらに向けて準備すればいい?

「高2で、将来は興味のある業界で働きたい。AOと一般入試のどちらを目指すか決められない」という相談もありました。

高2のうちは、どちらかに決めきらなくても大丈夫です。まずは行きたい学部の大学がAOを実施しているか、どんな書類や試験があるかを調べてみましょう。

そのうえで、教科の勉強は一般入試に向けて続けておきましょう。並行して、興味のある分野の本を読んだり、学校の探究の時間に調べたりしておくと、AOの志望理由の材料にもなります。

高3の春になって、志望理由を自分の言葉で話せそうならAOも受ける、という決め方でも遅くはありません。

AOに落ちてから、一般入試もうまくいかなかった

「夏までAOの準備に集中していたら、AOも一般入試も不合格だった」という相談もありました。

いちばんの原因は、AOの準備中に一般の勉強が止まってしまったことです。AOの結果が出てから一般の勉強を再開すると、共通テストまでの時間が足りなくなります。

前の章の配分表のように、AOの山の時期でも毎日続ける教科を決めておくと、11月からの立て直しがぐっと楽になります。AOに落ちた後の動き方はAO入試に落ちたらどうする?でまとめています。

AOに合格したあと、一般入試も受けてよい?

「AOと一般を併願していて、先にAOの合格が出た。一般入試も受けてよいのか」という相談です。

受けたAOが併願可の方式なら、一般入試を受けることはできます。専願の方式なら、合格したら入学することが出願の条件なので、受け直して入学先を変えることはできません。

『受けるだけならいいよね』と考える前に、合格したAOの募集要項の出願資格をもう一度読んでみてください。

難関大学のAOと一般を併願する時の両立は?

「難関大学のAOと一般入試を両方受ける人は、勉強をどう両立しているのか」という相談もありました。

例えば慶應SFCのAO入試(2026夏秋AO)は、オンライン申請が8月3日から9月1日、面接が10月、合格発表が11月2日でした。夏休みが書類づくりの山になる日程です。

この場合、7月までに志望理由の材料を集めておき、8月は書類と並行して教科を毎日少しずつ続ける、という配分が考えられます。面接が終わった10月下旬からは、一般入試の勉強に戻せます。

AOの書類は長い文章になる方式もあるので、夏休みに入ってから書き始めると時間が足りなくなることも。早めの準備が、一般の勉強時間を守ることにもつながりますよ。

よくある質問

AO入試と一般入試はどちらが難しいですか?

大学や学部、方式によって違うので、ひとくくりには言えません。AOは書類と面接、一般入試は学力の試験が中心なので、自分の強みがどちらに合うかで考えるのがおすすめです。

AO入試と一般入試は両方受けられますか?

受けられます。ただし専願のAOに合格した場合は、合格したら入学することが条件なので、一般入試で入学先を選び直すことはできません。方式ごとに募集要項で確かめましょう。

AOの準備中も一般の勉強は続けるべきですか?

続けておくと安心です。AOの結果は11月1日以降に出るので、不合格だった場合に共通テスト(2027年1月16日・17日)まで時間が多く残りません。

AOでも学力の試験はありますか?

ある方式もあります。東洋大学の基礎学力テスト型入試や創価大学の基礎学力方式(いずれも2027年度)のように、総合型選抜の中で筆記の試験を課す例があります。

共通テストを受けるAOはありますか?

あります。九州大学の総合型選抜Ⅱ(2027年度)のように、共通テストの成績を使い、2月に合格発表がある方式もあります。

まとめ

この記事の要点
  • AO入試は秋に書類と面接、一般入試は冬に学力の試験で選ぶ入試
  • 専願のAOに合格すると、一般入試で入学先を選び直せない
  • AOの準備が忙しいのは8月〜10月。その時期も毎日続ける教科を決めておく
  • AOと一般の関係は大学・方式ごとに違うので、募集要項で確かめる
  • 共通テストを使うAOでは、一般入試の勉強がそのままAOに役立つ
AO入試ガイド

AO入試ガイド 編集部

大学のAO入試(総合型選抜)と専門学校のAO入試について、仕組み・日程・選考内容・併願の考え方・対策の進め方を、受験生と保護者の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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